沖縄本島南部の南城市の住宅街に、ミントグリーンの外観と緑の木々茂る庭が目印の、本格派のタイ料理屋「シャム」がある。
夜は、点灯する看板のシャムの文字が目印。建物の外観も庭も緑色尽くしのほっこりする光景。店内へと足を踏み入れると、料理も店内も、そしてオーナー夫婦までもが家庭的な温かさとのどかさに包まれていた。
グルメ
2017.04.28
座敷もある家庭的なタイ料理屋
夫婦で営む、南城市のシャム
writer : miya-nee(みやねえ)
店内は、アジアと和のコラボレーション!?
南城市出身のオーナー・井上康さんとタイ出身の奥様が二人で営業しているシャムでは、タイ料理のランチとディナーを提供している。オーナーの井上さんは、沖縄のサンマリーナホテルにあったタイ料理レストランの開業時、タイから来たコックらにタイ料理を教わった。そして、その時、通訳としてタイから来日していたのが奥様だったとか。
そんな運命の出会いをした後、二人は結婚。長女が誕生した1994年に南城市でタイ料理屋のシャムをオープンしたのである。
そんな井上オーナー夫婦の衣装がきらびやかすぎる。奥様はタイの洋服を、オーナーの服はタイの生地で奥様が縫製したお手製である。
タイで購入した像の刺繍やスパンコールをあしらった立体的なタペストリーが目立つ。全体的にシンプルな造りの店内だが、よく見るとあちこちに気になる小ワザが散らばっていた。
座敷席のあるタイ料理屋は、あまり見かけないし、子ども連れでも楽しめるとあって、ママさんたちに教えない手はないだろう。
家庭的でのどかな店内。よく見ると、むむむ!と感心せざるを得ない小ワザを発見!
そして、本気の小ワザはここからである。タイ料理屋にタイの雑貨が置いてあるのは決して珍しくはない。が、しかし……
トイレの入り口には、タイの民族衣装を来た男の子と女の子のイラスト。これを見れば、男子トイレと女子トイレを間違える人はまずいないだろう。
ロッカールームの上には立派な木製の彫刻が飾られ、その近くにはタイの衣装を身にまとった子ども達の写真。まさかと思ったら、やはりオーナーの子ども達だった。子ども達がまだ小さかったころの写真だとか。
しかもこの1枚だけでなく、店内には何枚もの家族写真が飾られていたのである。店内の写真からは家族愛を感じるし、オーナー夫婦の人柄が表れている気がした。
照明ランプをよく見ると、ここにも小ワザ! 照明自体はすべて市販のものだが、写真左は知人が木板に絵を彫り、柄の部分はお手製。写真右上は奥様のお兄様が紙に描いた柄を照明の裏から貼りつけ、写真右下は椰子の実に手彫りしたDIYの照明らしい。
間接照明でうっすらと照らされた雰囲気のいい店内は、オーナーの趣味で埋め尽くされていたのである。
ランチメニューは12品!お待たせしないためのメニュー選び
ランチ用の緑色のメニューは、お待たせすることなく手軽に調理できる12品を、ディナー用の黄色のメニューでは、さらに品数が増えて24品を提供している。
一般的に人気のタイ料理が多く、店で1番人気のメニューがグリーンカレー。マイルドなココナッツミルクとグリーンカレーの辛さの相乗効果で、いい具合の旨味を引き出している。
皮をむいた大きめのナスがゴロッと入り、これが中まで軟らかくておいしい。身がとろけずにしっかりと形状を保ったまま煮込まれていることから、オーナーの料理の腕前がキラリと光る。
夜のメニューは24品!定番人気の揚げ春巻きと個性的なお皿の魚料理
春巻き3本分をカットしてキレイに盛りつけられたポピァ(春巻き)は、ひと口サイズで食べやすい。
春雨と野菜が入った揚げたてのポピァ(春巻き)をきゅうりとナッツ入りの梅と砂糖とお酢で作った自家製タレでいただく。
白身魚のフライを自家製ソースで炒めた熱々の「魚唐揚げ特製ソース」は、赤いパプリカがアクセントカラーとなり、白身魚は軟らかくひと口サイズなので食べやすい。魚の衣に染み込んだ特製タレが濃厚すぎず、後味はピリッと辛い。
そして、魚料理なだけに……
お皿までもが、魚だったのである。
そして、外の庭では・・・
通常は休憩所として、希望があればここで食事もできるテラス席。しかし、木が茂りすぎているので、葉っぱが落ちてくる可能性が高く、強風時には注意してほしい。
そしてよく見ると、番犬もいる。
大人しい番犬に見守られながら食事をするのも悪くない。南城市のタイ料理屋シャムが、何だかとってものどかだった。
スマートポイント
- タイのビールは、有名所のシンハとチャーンを用意。紅芋とカボチャのホットココナッツミルクの自家製デザート「ブアローイ」もあり。
- 座敷席があるので子ども連れでも利用しやすいタイ料理屋です。
- 「チキンとカシュナッツ炒め」、チャーハンの「カオパッ」も安定した人気だそう。
ライターのおすすめ
ホテルのタイ料理レストランで修行を積んだオーナーとタイ出身の奥様が作る本格派のタイ料理は、香辛料がキツすぎずに旨味とコクを残した家庭的な優しい味。
miya-nee(みやねえ)
JTBの元ツアーコンダクター。現在はライターをはじめとして、Web講師、カメラマンなどと多岐にわたる仕事に取組む。
INFORMATION
スポット名 | シャム |
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住所 | 沖縄県南城市玉城富里136-1 |
ジャンル | タイ料理 |
電話番号 | 098-948-2057 |
料金 | 700円~ |
営業時間 | 11時30分~14時30分、17時~21時 |
定休日 | 月曜日、第4日曜日 |
駐車場 | あり |
備考 | Facebookページ |