ワンコインで食べられる絶品ベジ料理
福豆は、お店を持たないベジ料理店。ではどこで福豆の料理を食べられるのか?というと、那覇の「おもろまち」にあるオフィス街に足を運んでみてください。ここで平日のランチタイムのみ、お弁当屋さんとして出店しています。
福豆のお弁当の値段はわずか500円。おかずは5品も入り、さらにすべて無農薬や自然栽培の野菜を使用。つまりワンコインで栄養満点の料理が日替わりで食べられるというわけです。
今日の日替わり弁当のおかずは、カリフラワーとコーンのチーズコロッケ
、いんげんのスパイス煮、ポテトとかぼちゃの種のガーリック醤油、塩麹豆腐と春菊の和え物、人参のロースト。これにお漬物と玄米がついて500円!信じられない値段設定です。
ベジ料理のきっかけはネパール旅行
福豆を営むのは若林史子さん。たった一人で毎日30個近くものお弁当を作る、華奢な見た目からは想像できない強者です。
若林さんがベジ料理を作るようになったのは、4年ほど前のネパール旅行がきっかけ。若林さんは当時、那覇のゲストハウスの食堂で腕を振っていました。忙しい毎日を送る中、心身ともに疲れ果ててしまいます。そしてたまった疲れを癒すべく、知人に誘われネパールを訪れるのです。
「ネパールでは、農業も畜産も自然のまま。野菜は堆肥を使って栽培しているし、家畜はその辺を走り回っているんです。そんな環境で育った食材は、どれも味が濃くておいしかった」
ネーパールでの滞在は結局3カ月にも及びます。現代では贅沢ともいえるネパールの食の環境に、若林さんはどんどん魅せられていきました。
沖縄だから、沖縄の食材を使う
ナチュラルに育てられたネパールの食材にすっかり慣れた若林さん。沖縄に帰ってくると、肉を受け付けない体になっていることに気付きます。「匂いが気になって、食べられないんです。だから最初は自分のために、野菜だけの料理を作っていました」そこから発展して、ベジ料理専門の福豆を立ち上ることになったのです。
福豆で使う調味料はすべて無添加。沖縄産の無農薬、自然栽培の野菜を使うようにしています。「ここは沖縄ですから、沖縄の食材を使うことが理にかなっていると思うんです。それにナチュラルに育てられた地の野菜は味もいいし、元気なんです」
「体に優しいものを食べ続ければ、おのずと舌が慣れ、化学調味料が使われていない料理でもおいしく感じられるようになります」と若林さんは自信を持っていいます。
野菜だけでコクを出すのがベジ料理の醍醐味
ベジ料理の醍醐味は、肉や卵を使わずいかにコクを出すか。ここで若林さんなりの工夫が存分に発揮されます。
「野菜の出汁をたっぷり使ったり、歯ごたえのいい食材を取り入れたり、スパイスを多用したり。試行錯誤してお肉のような味わいを出せた時はうれしくて、テンションが上がりますよ!」と若林さん。
例えばこちらのサンドウィッチ。見た目は完全に普通の卵サンドとカツサンドですが、動物性の食材はいっさい使われていません。さらに見た目だけでなく、噛みごたえや味も、まるで本物の肉や卵のよう。しっかりコクがあるので満足感も十分に得られます。
ベジ弁当は野菜の奥深さを知るための入り口
ベジ料理やヴィーガン料理に馴染の薄い人も多いため、まずは知ってもらうことが大事だと、若林さんは考えています。そこでお弁当屋さんだけではなく、沖縄県内で開かれるさまざまなイベントへの出店やケータリングにも、積極的に参加を重ねています。
こちらの料理は、2017年3月に開催された「OKINAWA FOOD FLEA(オキナワフードフレア)」という大規模な食のイベントで出されたもの。とても好評で、列をなして買い求める人までいたそうです。
沖縄のケータリング料理は揚げ物が多いのが普通。しかしヘルシーな福豆の料理なら、野菜たっぷりなのでたくさん食べても安心です。
ヴィーガンのレストランは入り難くても、お弁当や、イベントでのテイクアウトなら身構える必要はなさそうです。そして、沖縄野菜を気軽に食べられるのも、お弁当やテイクアウトだからこそ。
福豆で肩ひじ張らずにベジ料理体験。
ぜひ試してくださいね!