パクチー、レモングラス、ガーランガー、コブミカンの葉
暑い気候に食欲を促す、芳しいアジアンハーブ達。
那覇市のビジネス街近く、久米の一角にある「プリックタイ」は
タイ人シェフによる、メニュー豊富なタイ料理が楽しめる。
料理に使用するハーブは沖縄南部の畑でシェフが育てた、自家製のもの。
辛さはお好みで。日本食材も随所に活かした
亜熱帯沖縄で味わう、本格タイ料理の魅力。
グルメ
2017.06.02
たっぷり自家製ハーブが決め手
本格タイ料理、プリックタイ
writer : 松村葉子
会合にも利用される品の良い店内。豊富なメニュー
モノレール県庁前駅から徒歩10分。小ぎれいな飲み屋さんの立ち並ぶ、那覇市久米の一角にて、タイ人シェフによる本格的なタイ料理が味わえる。「プリックタイ」オーナーのダムロン・カンティーさんは、この地でお店を開いて13年。流暢な日本語と温かいスマイルで出迎えてくれた。
清潔感ある店内は、重厚なカウンターにアジアテイストの雑貨や絵画が飾られ、エキゾチックで華やかな色彩が随所に溢れる。カウンター10席と4人がけテーブル席が一つ。近隣オフィスからの仕事の会合や常連さんの模合(寄り合い)に利用され、夜のコースメニューも充実(3,000円〜 相談の上、設定可能)。
豊富な魚介類の並ぶ、それぞれ興味深いメニュー名を眺めて決めかねていると、ダムロンさん「夏バテにぴったりのこれはどうかな?」「人気メニューのこれはどうですか?」意見を聞きながら手際よくメニューを決めてくれた。
麺、春巻き、トムヤムクン。お客さんに大人気の定番料理
「夏にはこれ!」とオススメされた、魚ココナッツミルクカレーそうめん(1,100円)。ツナ、もやし、さやいんげん、トマト、たっぷりの野菜がのったサラダ感覚の麺料理。ココナツミルクにカレーペーストを加え、ピリピリとした辛さにココナツのまろやかな甘みが絶妙。麺には日本のそうめんを使用し、ビーフンよりもクセがなくてタイ料理の味わいを引き立てる。生姜に似たグラチャイという独特のハーブがポイント。上に盛られたパクチーやミントを一緒に口に含むと、新しい味わいが広がる。
揚げ春巻き(2コ650円・3コ900円)。人参、セロリ、しいたけ、筍といった野菜に春雨の食感が加わり、豚肉の旨味、パクチーがアクセント。揚げたてサクサクをスイートチリソースで。お店の定番人気商品で、「巻いても巻いても、冷蔵庫を覗くと無くなってる」のだとか。
「沖縄一の味!」とお客さんからお墨付きをもらっているトムヤムクン(1,350円)。プリプリのエビ、きのこ、レモングラスやパクチーといったハーブ、香りよい柑橘類のコブミカンの葉、強い清涼感のある(生姜に似た)ガランガー、レモン汁の酸味も加わり、味わい深い。土鍋で熱々をいただける。
大ぶりの牡蠣をエスニックで。デザートにはココナツアイス。
本日のメインよろしくダムロンさんが出してくれたのは、カキオーブン焼きスパイシーソースがけ(2コ750円 4コ1,400円)。タイでは小ぶりのカキで出回っているが、それを日本の大きなカキで再現したインパクトのある一品。トマト、ねぎ、レモングラス、パクチーをのせて、スパイシーソースと甘みあるチリペーストが加わり、牡蠣の風味が際立つ。白ワインに合わせるのがおすすめ。時期ものではあるが、夏場もしばらく取り扱っているとのこと。
お腹がいっぱいでもさらりといただけたタピオカココナツアイスミルク(480円)。実はココナツのデザートが苦手だったが、正直初めておいしい!と感じた、舌触りなめらかで優しい味わい。ミルクに浮かんだプチプチのタピオカと、上からまぶしたパリパリ乾燥ココナツの食感が楽しめ、さっぱりとした甘みはスパイスに刺激された口を癒してくれる。メニューにはドリアンアイス(480円)も!
味付けや辛さはお好みで。店内では本場調味料や食材も販売
テーブルには調味料が常備されていて、お好みで足すことができる。味付けは日本人に合わせて辛さ抑えめ。常連さんにはスタンダードな辛めのものを、初めてのお客さんには辛みの様子を見ながら提供。ナンプラーが苦手なお客さんには、タイのお醤油ともいえる大豆でできたシーズニングソースをすすめることも。
琉球大学の農学部に所属していたというダムロンさん。先述の料理に登場した味をかたどるハーブの数々を、沖縄南部の畑で自家栽培していることも魅力。沖縄の気候柄、栽培にも適しているという。
シンハーはじめ、お馴染みのタイビール各種が揃う(650円〜)。業務用の本場ナンプラーやペースト類の数々が比較的安価で販売され、タイ米は品質の良いものを置いている。自宅でアジア料理を作る人にもオススメ。
スマートポイント
- グラチャイ、ガランガーと聞きなれない名の、タイ料理に使われるハーブ類。生姜系でも、ひと味ふた味も違う、自家栽培アジアンハーブの深みを楽しんで。
- 苦手な調味料はダムロンさんへ相談可能。基本、初めてのお客さんには、優しめの辛さにするそうなので、辛さを欲している人は自己申告してくださいね。
- アルコール類は、オリオンその他通常のビール、ワイン、ウィスキー各種取り揃える。酒の肴としてのタイ料理を追求してみるのもいいですね!
ライターのおすすめ
流暢な日本語を操りながら、ニコニコとタイ式スマイルでごちそうを次々に出してくれたダムロンさん。故郷ではご実家が食堂を経営し、幼い頃からお手伝いをされていたという。本格料理に、庶民的な気さくさがうれしい。
松村葉子
15年住んでいますが、沖縄はいつも深く濃ゆ〜く目の前に…。背伸びせず、面白いと思ったものを、ご紹介していきます。
INFORMATION
スポット名 | プリックタイ |
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住所 | 沖縄県那覇市久米2-20-21 八木ビル1F |
ジャンル | タイ料理店 |
電話番号 | 沖縄県那覇市久米2-20-21 八木ビル1F |
料金 | ランチ1,000円前後 ディナー2,000円〜3,000円前後 |
営業時間 | ランチ11時30分〜14時(LO.13時30分)、ディナー18時〜22時(LO.21時30分) |
定休日 | 日曜日・祝日 |
駐車場 | なし。近隣にコインパーキングあり |
備考 | 文中価格はすべて税込です |