昼と夜とで違う顔!昼間はカフェ風、夜はバーになる食堂
2015年5月にオープンしたこの食堂は、ランチタイムとディナータイムに分かれ、昼と夜とで店内のイメージが変わる。昼間は明るいカフェ風、夜は間接照明の効果を活かしたバーのような雰囲気だ。
昼間の山原食堂Kuni。
ディナータイムのみ、液晶ディスプレイで映像と音楽を流している。
「この近辺だと、夜って食事できる店が少ないんですよ。だから夜も営業することにしたんです。観光客の人はもちろん、地元の人でも夕食を外で食べたい時ってありますよね」と話す店長の北里さん。
のどかな今帰仁村にこんな小洒落たバーがあったら、地元の若者なら足を運びたくなるだろうし、今帰仁村で夕食場所を探している観光客にもうれしい発見だろう。
この食堂は、中華料理を中心にしたメニュー展開で、想像をかき立てるメニュー名に興味津々。
店長の北里さんは、もともとは中華料理屋で修行を積み、その後ミャンマー料理屋で働いていた。沖縄に移住してこの食堂をオープンする時、「エスニック料理だけではなく、バリエーションも効く、中華料理のメニューを多めにしよう」と決めたそうだ。
今帰仁村の地元野菜を中心にできるだけ県産の食材を使い、定番の中華料理のメニューに店のアレンジを効かせて提供している。
中華料理といえば、脂っこいイメージがあるが、この食堂の料理は、野菜たっぷりでヘルシーに感じる。
だから、この店の料理は、「地元野菜が主役の中華料理」と、そんなイメージを持った。
もちろん「地元食材」の島鶏などのお肉類にも、こだわりを持つが、「地元の野菜や食材をおいしく食べてもらいたい」という店長の思いが、そんな食材へのこだわりにつながっているのだろう。
単品の春巻きは、1本200円。3本なら500円で食べられる
「特製揚げ春巻〜プリプリの海老と島豚と野菜たっぷり〜」は、1本だと200円だが、3本注文すると500円になるので、ややお得感。
そして、何かしら料理を注文すると、必ず今帰仁村産の野菜のマリネがついてくる。
シーフードが入った揚げ春巻きは、青ネギなどの野菜も使われ、パクチーが添えられている。
この店で人気なのが、島鶏の唐揚げ
「島鶏の唐揚げ〜特製黒酢ネギソースがけ〜」は、季節野菜の料理とライス付きで800円。
この店では、鶏の唐揚げが人気らしく、「黒酢ベースの酢鶏ですかね。笑」と店長の北里さんが話す。
中華料理の濃厚な味つけに黒酢の酸味が心地良く、熱々でジューシーなチキンの身がとにかく柔らかい。大量の青ネギ効果やさりげなくトッピングされたパクチーの控えめな存在感も、いい感じに料理にプラスされている。
1個1個の唐揚げは食べ応えがあり、そこに季節の地元野菜が添えられ、バランスよく野菜も食べられるのだ。
そして、安定の人気「ジャージャー麺」も捨てがたい
「今帰仁野菜と島豚のジャージャー麺」は、食堂をオープンして以来、安定の人気メニューらしい。
季節の野菜を盛り付けるため、時期によって野菜の種類が変わる。この野菜たっぷりのジャージャー麺がとてもヘルシーに見え、ニンジンときゅうりのシャキシャキ感がいい歯応えとなり、色んな食感が楽しめる。
ジャージャー麺の肉味噌に花山椒を入れ、すでに辛味がついているが、より辛くしたい人には店の自家製ラー油が用意されている。
麺は細麺だが、店長に話を聞くと、これはカッペリータというパスタの麺だった。しかし、食べてみるとまったく違和感がない。
「ラーメンの麺もパスタの麺も小麦粉使ってますからね。笑」と店長はいうが、この発想こそが、他店と差別化した「山原食堂Kuni」の強みなのかもしれない。
食堂らしからぬ、上品でヘルシーな料理にやや驚いたものの、北里夫婦の地元思いの心意気を感じるし、添加物も不使用とのこと。
ピンクの外観といい、夜のバー的な雰囲気といい、ゆるりと料理を提供しながらも、おいしい料理とたっぷりの地元野菜が食べられる今帰仁村の食堂だった。
2016年11月に世界遺産の今帰仁城跡で開催された「Okinawa JAZZ Festival」は、店長の北里さんが主催したイベントだったらしい。ジャズ好きでイベントまで立ち上げてしまった強者店長がいる今帰仁村の山原食堂Kuniで、おいしい食事を楽しんでみてほしい。