市内中心地にある宮古島市公設市場の並びにありながらも、小さな御嶽を囲う木々の覆い茂る緑がその佇まいを目隠ししています。背の高い木々の合間からのぞく黄色いと赤色の看板が目印の「食事処じんく屋」は、いまイチオシの食堂です。
じんく屋は宮古島の老舗製麺所の一つである久松製麺所が直営なので、そばへのこだわりとおいしさは間違いありません。チャンプルーなどの郷土料理のメニューも豊富で、こちらにも味噌汁代わりにそばがついてくるのもうれしいポイントです。また、名物料理カツメシは、女性客や観光客にも人気でおすすめの一品。初代からお嫁さんへ、そして娘へと、三代にわたって、緩やかな南風のように引き継がれる伝統の味をどうぞご賞味ください!
マリンスポーツ
2024.11.11
[宮古島]老舗製麺所のそばや
親子三代で受け継ぐ味じんく屋
writer : 砂川葉子
直営店だからこそ、まずは宮古そばを
通りまでも漂ってくる出汁の香りに誘われて扉を開けると、手前のテーブル席から奥の座敷まで大勢のお客様で賑わっています。正面の壁一面に太字で書かれたメニューが貼られ、ザ沖縄の食堂、という雰囲気に胸が高鳴ります。
じんく屋はやはり製麺所の直営店だからこそ、宮古そば(小450円・大500円)がイチ押しです。宮古そばの特徴であるストレート麺をずずっとすすれば、モチモチとした食感の存在感がある麺がのどごしよく口の中に入ってきます。ぶ厚いしっかりと煮付けられた三枚肉は軟らかく、透明なスープは意外とあっさりとした味わいで、生姜の風味が鼻を抜けるのがなんとも爽やかで、その優しい味わいに思わずため息が漏れます。
じんく屋には、たっぷりの野菜炒めがこんもりとのった野菜そば(600円)、黄色いカレーが食欲そそるカレーそば(600円)もあります。
また、そばにこだわるからこそ、じんく屋ではゴーヤーチャンプルーなどの定食には味噌汁ではなく、小さな宮古そばがついてきます。
地元民の食事処じんく屋おすすめメニューは?
じんく屋のファン、とはつまり地元では久松製麺所のファンでもあります。だけど、麺だけでなく、地元民に愛されているメニューがチャーハンとカツメシです。
じんく屋のチャーハンは、地元でも根強いファンが多い一品で、チャーハン+宮古そばのチャーハンセット(650円)は、じんく屋一番の人気メニューです。このチャーハンに、トンカツがどど~んとのったのが、じんく屋の名物料理「カツメシ」です。チャーハンがあっさりした味付けなので、さらりと食べられてしまいます。意外かもしれませんが、女性客からのオーダーも多いんですよ。
また、宮古そばにご飯とおかずがついたボリュームたっぷりの宮古そば定食(600円)も人気です。そば定食には、ポークにパン粉をつけて揚げたポークカツとサラダがついてきます。このジャンクな味がたまらない!という地元ファンが多いのです。さらにガッツリ行きたいなら、ソーキそば定食もおすすめですよ!
初代からお嫁さんへ、そして娘へ、受け継がれる味
昭和45年、本土復帰前の宮古島に久松製麺所は生まれました。出身地である地名を屋号につけ、夫婦二人三脚で始まった小さな製麺所でしたが、もっと自分達のそばを食べてもらおうと、妻のハツエさんが食堂を始めます。それが食事処じんく屋です。
今は初代女将のハツエさんは、現場からは退いていますが、陰ながらじんく屋を支えています。そばについてくる大根や胡瓜の漬物や人気の宅配そばセットについてくる島唐辛子は、ハツエさんの自家菜園のものです。現在、じんく屋の台所を仕切るのは、久松製麺所に嫁いできた恵子さんです。そして、3代目としてじんく屋ののれんを継ぐのは、恵子さんの娘の真奈美さんかもしれません。「うちはとにかくそばです」と、3代目の風格たっぷりに力強くお話しくださいました。
三世代それぞれの地元への思いと持ち味がゆるゆると繋がりながら、しなやかに時代に対応しながら、じんく屋の味と心は引き継がれています。
※こちらは、2017年10月22日公開の記事となります。更新日はページ上部にてご確認いただけます。
※記事中の写真、価格は取材当時のものとなります。
スマートポイント
- じんく屋には、オリオンの瓶ビールの他、アルコールフリーのビールもあります。
- 久松製麺所の麺、自家製ストレートスープ、味付け三枚肉、かまぼこ、宮古ネギ、島唐辛子がセットになった宅配セットもお土産や贈答品におすすめです。
- 食事処じんく屋近くは、宮古島市公設市場(HP : https://www.smartmagazine.jp/okinawa/okinawa/article/sight/20581/)やお土産店が軒を連ねる西里通り、パイナガマビーチ(HP : https://www.smartmagazine.jp/okinawa/okinawa/article/sight/20930/)も近いので併わせての観光もおすすめです。
ライターのおすすめ
久松製麺のモチモチしこしこの宮古そばはお土産品としてもお勧めです!店内で発注もできますよ。
砂川葉子
岐阜県出身、宮古島諸島のどこかの小さな島に在住。農業と民宿業、島興し業と並行してライター業にも携わる。
INFORMATION
スポット名 | 食事処じんく屋 |
---|---|
住所 | 沖縄県宮古島市平良字下里84 |
ジャンル | 宮古そば |
電話番号 | 0980-73-4017 |
料金 | ~1,000円 |
営業時間 | 11時~15時(LO.14時30分) |
定休日 | 日曜日・月曜日 |
駐車場 | あり |