八重山の原風景が今も色濃く残る石垣島の観光名所、白保集落。そのノスタルジックな景色に溶け込むように、赤瓦の小さなお店「おかしの家パピル」はある。島の自然の恵みをたっぷり使った優しい味のスイーツは、ちびっ子からオジィ、オバァにまで大人気。今や石垣島で一番存在感のあるケーキ屋さんである。
グルメ
2017.10.30
[石垣島]白保の古民家で
島スイーツ!おかしの家パピル
writer : 池田麻紀
白保の人達の大切なお店
「パピル」とは白保の方言で「ちょうちょ」という意味で、お店のシンボルにもなっている。
なるほど、白保集落には花を植えている家庭も多く、オオゴマダラなどの蝶類が当たり前のようにのびやかに舞っている。店主でパティシエの安井祐策さんは奈良県の老舗「学園前アスター洋菓子店」にて修行後、石垣島のリゾートホテル勤務を経て独立。ここ白保におかしの家パピルを開店した。奥様の瞳さんは接客を担当。気さくで細やかな心配りで、祐策さんが生み出すスイーツの魅力を伝えている。
ショーケースには10種類前後ほどのスイーツが旬の果物と、手作りの棚には焼き菓子が並んでいる。所々に飾られた温もりのある雑貨と、古民家の雰囲気が絶妙に調和する小さな店内は、お客さんが3人も入れば満員に。でもそのこぢんまりさが心地良い。
奥のイートインコーナーでは、近所の小学生女子がケーキを少しずつ大事に大事に味わいながら宿題をしている。
「お小遣いを握りしめて食べに来てくれるんですよ」と瞳さん。
ほどなくするとオバァが「おはよう~これ今日の分ね」と卵を届ける。
安井さん夫妻の3歳になる娘さんは、生まれた時から立派な看板娘で、時折お店に顔を出し、お客さん達を和ませてくれる。
「ここは昔、駄菓子屋だったみたいで。地元の人達には馴染みがあるんですね。皆さんよく来てくれます」と祐策さん。白保の日常がそのままケーキ屋さんになったようなパピルは、地元白保の皆さんに愛されている、何とも和やかなお店だ。
「地産地消」と「自然に任せる」を大切にしたスイーツ
初めておかしの家パピルを訪れた人は皆、ショーケースの中のケーキを見て歓声をあげる。そのボリューム、上にのっているフルーツのもりもり具合。それなのにいいの?と思ってしまうこの価格。このレベルのケーキを都会で買うと倍以上の値段はするはず。
裕策さんが生み出すケーキは、素材を前面に出すシンプルなケーキ。ベースにしているのは島の素材。卵は白保産の有精卵。さっきのオバァが持ってきた卵だ。その日生みたて新鮮な卵で、黄身がなかなか崩れないほどの弾力だ。
牛乳は石垣島産の新鮮で濃厚なゲンキ乳業、黒糖は波照間産を使っている。
フルーツは、石垣島で取れるパイン、マンゴーなどはもちろん、日本全国の旬の素材も積極的に使う。「旬のものはその時期に一番おいしい上に、一番安く手に入りますからね。石垣島の皆さんにも日本の四季折々の旬を楽しんでほしい」と、常夏の石垣島ではあまりなじみのないフルーツであるイチジクや柿なども、おいしいケーキにしてしまうのだ。
おかしの家パピルのケーキで春夏秋冬を楽しむ
冬から春にかけては、なんといってもイチゴのケーキ。できるだけ農薬を使っていないイチゴを、友人である九州の農家さんから仕入れている。「香りが全然違うんですよ」という贅沢なイチゴが惜しげもなく盛られたイチゴタルト(572円)
4月頃からは、島内産のトロピカルフルーツを使ったケーキが登場。石垣島の太陽をギュッと閉じ込めたフルーツは甘く濃厚。ピーチパインと濃厚チーズのショートケーキ(486円)とヨーグルトムース(380円)。
本格的な夏の到来とともに、マンゴー、パッションフルーツ、グアバなどを使ったケーキが登場。石垣島の自然のエネルギーを凝縮したようなケーキ達。
県外の旬のフルーツも併せて召し上がれ。福岡産の瑞々しい白桃を丸ごと乗せたショートケーキ、熊本産メロンを大胆に使ったケーキ、ムロンはもう見た目からノックアウト!
秋になると、イチジクや柿、和栗を使ったケーキも登場。
また素材にこだわるアイスクリームがのっかる季節のパフェもおすすめ。春は豊かなあのこだわりイチゴを贅沢に使ったイチゴパフェ。
夏は島のマンゴーアイスに、これまた完熟マンゴーをたっぷりとのせて・・・至福の時間を堪能して。
いつ訪れても、今が旬のフルーツがもりもりのスイーツがスタンバイ。季節限定はもちろん、通年ショーケースに並ぶレギュラー陣も間違いなしのおいしさだ。
白保の古民家でのんびりイートイン
店舗の裏に回ると、和室のイートインスペースがあり、昔ながらの赤瓦民家の雰囲気を楽しみながら、スイーツをゆっくりと堪能できる。畳なので、赤ちゃん連れでも安心。おもちゃもたくさん用意してあるので、地元の子連れママのお茶会も多いとか。本や雑誌もあるので、おひとり様でもゆっくり楽しめる。
イートインで楽しめるおかしの家パピル特製ドリンクもケーキと一緒にどうそ。瞳さんが丁寧に入れてくれるコーヒーはもちろん、石垣島内外のフルーツを使ったミックスジュースも懐かしいおいしさ。
石垣島で迎えるイベントにもぜひ
最近人気の石垣島ウェディング。おかしの家パピルでは新郎新婦の要望に沿って、オリジナルのウェディングケーキを作ってくれる。特にガーデンパーティ会場を引き立ててくれる南国風のデザインが好評だとか。
旅行中に誕生日を迎える方は、ぜひ、おかしの家パピルのバースデーケーキでお祝いを(3日前の16時までに要予約)。写真は基本のデコレーションだが、季節のタルトや、チーズケーキなどもオーダーできる。
お土産には、島素材を使った焼き菓子はいかが?波照間産黒糖のパウンドケーキは、濃厚な波照間産黒糖とナッツの相性が絶妙で、ずっしりとしたボリュームもありおすすめ。
さんぴん茶のマドレーヌや、石垣島を型どったクッキーも。
おかしの家パピルは南の島空港にもほど近いので、旅の始まりや締めくくりのケーキタイムにぴったり。白保地区の美しい街並みと、島素材ベースの絶品ケーキに、きっと心もお腹も満たされること間違いなし!
スマートポイント
- 季節のケーキのラインナップはfacebookやブログにてチェック!お目当てのものは朝一番の来店か、電話での取り置き(通称もしもしパピル)が確実。
- イートインスペースは予約をおすすめします。
- 昔ながらの石垣の風景が残るパピル周辺の白保集落〜海岸はぜひ散策してみて。
ライターのおすすめ
密かな人気のロールケーキがおすすめです!白保の有精卵と石垣島の牛乳をたっぷり使ったしっとり生地のおいしさが感動的です!1日1,2本しか販売しないので、予約が必須!
池田麻紀
三児の母。アロマ屋さん。島の小さな手作り市「ぬちぐすい市」を主催。
INFORMATION
スポット名 | おかしの家 パピル |
---|---|
住所 | 沖縄県石垣市白保51 |
ジャンル | 洋菓子店 |
電話番号 | 050-3760-1622 |
料金 | 216円〜 |
営業時間 | 10時〜ケーキ売り切れ次第終了 |
定休日 | 月曜日 |
駐車場 | なし(店舗前の壁際に駐車してください) |
備考 | 表示価格はすべて税込みです HP : https://ameblo.jp/papiru-ishigaki/ |