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グルメグルメ

2024.10.15

沖縄旅行で絶対行きたい
人気の老舗沖縄料理の店

writer : 福田展也

沖縄が日本に復帰した1972年にオープンした沖縄料理店の老舗中の老舗が今回ご紹介するうりずんです。昭和の雰囲気を今に伝える栄町市場に隣接し、赤瓦屋根の伝統的な建物が昔変わらぬ佇まいを今に伝えています。
老舗沖縄料理うりずん外観
うりずんの魅力は、那覇市の首里に自社所有の古酒蔵(くーすぐら)があること。オーナー自らブレンドした味わい深いオリジナルの古酒をはじめ、200銘柄以上の泡盛を取り揃えています。
うりずん自社所有の 古酒蔵
本格的な宮廷料理から素朴な家庭料理まで、代表的な沖縄料理を楽しめるこの店は本島観光の際に是非利用していただきたい超おすすめ店舗です。

食を通じた沖縄文化の発信が沖縄ブームに火をつけた

うりずんが開業した当時、沖縄はウィスキーの全盛時代。ほとんどの飲食業界では内地やアメリカの商品が人気を集め、泡盛や沖縄料理に目を向ける人はいなかったそうです。そのような時代に、オーナーの土屋實幸のさんは沖縄文化の「象徴」とも言える泡盛の価値を世に問い直そうと、古酒にこだわった居酒屋を開業したのです。
うりずんがこだわった古酒の居酒屋
開店当初の料理のメニューは泡盛に合うものばかり。当初はお客さんがゼロの日が続いたというこの店にも、沖縄の文化を誠実に伝えようと奮闘する土屋さんの姿勢に共鳴する人たちが通い始め、沖縄ブームに沸く頃には押しも押されもせぬ一番店のステータスを築くことに。

「沖縄大好き!」なスタッフが心を込めておもてなし

「泡盛と料理を通じてぜひとも沖縄らしさを体感してほしいですね。沖縄料理が苦手だという方も、『ここのは美味しい』と、繰り返し利用してくださるんです」そう語る下地信幸(しもじ・のぶゆき)さんは、地元である安里の出身。栄町市場にある実家は、長年商店を営んできたそうです。

いったんは沖縄を離れて県外に就職した下地さんは、しばらくして沖縄に戻ってきたそうです。そのときに、オーナーの息子さんと同級生ということもあって、腰掛けのつもりで勤め始めたうりずんに、気がついたらいつのまにか「11年も経ってしまった」のだとか。
うりずん店主の下地さん
穏やかな身のこなしでお店を切り盛りするよしみさんはもともとはこの店の常連客のひとりだったそうです。食を通じて沖縄文化の価値を伝え続けるオーナーの、静かに燃える情熱に共感し、もてなされる側からもてなす側に移ってしまったといいます。

「沖縄の良さを知ってほしい」。そう願っているスタッフが多いこともあるのでしょう、接客の評判がものすごく高いようです。

器までオリジナル!五感を使って沖縄を大満喫

うりずんのすごさはそれだけではありません。料理を盛り付け、酒を注ぐ器たちも直営の窯元で焼いたオリジナル。食材や季節感に合わせて色や形を考えた器の数々。「泡盛と沖縄料理を時期ごとに美味しく味わってもらいたい」という徹底したこだわりには驚くしかありません。
うりずん内装は古民家を改装
沖縄音楽が流れる古民家で、泡盛を片手に、沖縄料理を口に運べば、一瞬にして気分は沖縄の人。料理の味付けは泡盛に合うようにどれもしっかりしてはいますが、くどすぎず、いたって上品。素材の良さを活したヘルシーな仕上がりになっているので、沖縄料理が苦手な人にも好評なのです。
田芋のコロッケ、 ドゥル天
一番のおすすめはうりずんが創作した田芋(ターンム)のコロッケ、ドゥル天(648円)です。表面はカリっと芳ばしく、中はもちっり。シンプルだけど飽きのこない甘味と旨味。上等なやちむん(陶器)のように、見た目も手触りも重厚。味わい深い人気No.1メニューです。
宮廷料理の代表選手 ラフテー
そして、琉球王朝時代に賓客に献上されていた宮廷料理の代表選手ラフテー(864円)です。現在の沖縄では馴染み深い醤油味ではなく、伝統的な白味噌仕立て。手間ひまをかけて下ごしらえし、じっくり煮込んだ三枚肉は柔らかすぎず固すぎず、旨味と歯ごたえのバランスも抜群!是非とも他の店のラフテーと食べくらべてほしいイチオシメニューです。

おすすめ料理はほかにもいろいろ

ジーマミー豆腐
《キャプション》ジーマーミ豆腐(540円)ぷるぷるしているのに、粘りがある独特の食感は他にはない魅力。舌の上で転がすと口の中に広がってくるピーナッツの優しくほのかな甘み。薄めの砂糖醤油をつけてももちろんOK。手作りならではの美味しさをお試しあれ。
ナーベラーンブシー
《キャプション》ナーベラーンブシー 540円黄緑色の色合いがうりずん(初夏)の爽やかな風を連想させる定番メニュー。島どうふの表面は香ばしく焼き色がつき、豚ひき肉の旨味と相まって、ヘルシーでいてしっかりした味わいを楽しめます。

今でこそゆるぎない人気を博し、高い評価を得ている沖縄料理と泡盛ですが、その地位をここまで引き上げたのはこの店の功績に負うところが大きいと、地元の文化人や著名人の評判も高い名店です。

沖縄本島に初めて旅行に行かれる方に是非訪れてほしいお店です。

※こちらは、2015年8月29日公開の記事となります。更新日はページ上部にてご確認いただけます。
記事中の写真、価格は取材当時のものとなります。

スマートポイント

  • 人気店ですので事前予約をしておくとスムーズに利用できます。
  • うりずんを利用する日は国際通り裏にある、隠れ家的な沖縄第一ホテルに宿泊を。沖縄の伝統食にこだわった薬膳朝食が夜遊び明けの朝におすすめです。 HP : https://okinawadaiichihotel.ti-da.net/
  • モノレール安里駅から歩いて1分です。ぜひモノレールをご利用ください。

ライターのおすすめ

うりずんで食事と泡盛を楽しんだあとは、ぜひ隣接の栄町市場に。復帰前の沖縄がそのまま残っているアジア的なナイトマーケットの雰囲気を楽しめます。

福田展也

目下の趣味はサーフィン・沖縄伝統空手・養蜂。心で触れて身体で書けるようになることが10年後の目標。

INFORMATION最新情報は、各施設の公式ウェブサイト等でご確認ください。

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