季節特集
2015.03.22
~Xmas MUSIC
HANABI FESTIVAL~
writer : Hinata
沖縄にも冬の季節はやってくる
昼間の暖かさを少し含んだ景色とは異なり、夜…
漆黒の海を挟んだ対岸には街明かりが
冷たい空気の下層にゆらゆらと煌めいている。
その上空の真っ暗な空間に何と一万発もの花火が打ち上がり、
華やかなクリスマスが夜空いっぱいに描き出されるという。
「真冬の花火」なんて、いったい誰が考え出したんだろう。
花火は夏の風物詩で、
うちわを仰ぎながら見上げるものだとばかり思ってた。
けどこの日、寒さでキンとした夜空に描かれた花火は
想像していたよりもはるかに…美しかったんだ。
デザイナーズ花火
会場のアナウンスがフェイドアウトすると、
クリスマスの曲が大音響で流れ始める。
周りの観客のワクワク感が伝わってくる。
みんな口々に「もうすぐだよ」と言い合いながら目を輝かせて、
その時を待っている。
あっ、
スッと細い線が上空にぐんぐんと伸びていく…
空いっぱいに広がった光のキラキラにあちこちから歓声があがる。
そこから間髪入れずに次から次へと打ち上げられていく花火達に、
夜空は一気に明るく照らし出される。
満月の明るさとはまた違う、華やかで賑やかな夜空。
それにしても、
花火ってこんなにカラフルだっけ?
あんまり綺麗で、花火の域を超えてもはやアートだよ。
ひとつの花火の中に色が何色も混じっていたり、
形も丸型、縦長、シダレ、噴水、粒々…
さっき上がったのはスマイルマークでしょ、これはキノコかな?
あっ、クリスマスツリーにサンタさん!
周りで当てっこしてきゃーきゃー言ってる地元の女の子達が
可愛いく笑い合ってて何だかほっこりする。
色んな冬の曲に合わせてそれぞれ違う雰囲気の花火になっているのは、
世界的デザイナーのコシノジュンコプロデュースだけありさすがの演出。
そんな中でこの日のスペシャル
夜空に打ち上げられたハートと指輪の数々、
その下でなんと公開プロポーズ!
そんな事されたら、一生忘れられない素敵な思い出になるよね。
会場で温かく見守りながら、目を潤ませていたスタッフさんもいたとか。
想いの込もった手作りイベントは、
周りの人達みんなをハッピーにしてしまうからすごい。
そして、盛りだくさんな時間にもついに終わりがやってきた。
静かに流れ出したのは、ジョン・レノンの平和を祈ったクリスマスの名曲
「Happy Xmas (War Is Over) 」
冬の寒さの中にいても、この曲にはふわりと
ローソクの火が周りを暖かく包み込むような温度感がある気がする。
静寂の中にある、豊かな時間を届けてくれる。
クリスマスの本来の意味は、キリストの誕生を祝うもの。
まるで聖なるいのち達がこの世界へやってきては帰ってゆくかのように、
花火は小さな粒となり夜空に吸い込まれていく。
その果てしない繰り返しの切なさと美しさが描き出された夜空を、
私達は一緒に見てるんだ。
Merry Xmas to you.
たくさんのメッセージを込めた真冬の花火は、
シンシンと心に積もる沖縄の雪なのかもしれない…
そう、
沖縄にもクリスマスはやってくる。
文章 Hinata
写真 Yoshiaki ida
イベント情報
掲載写真は、会場近くの某ショッピングセンター屋上の駐車場より撮影。
近辺の海沿いのレストランなどでは、食事しながら花火を見れる場所も
たくさんあるのでベストスポットを探してみてね☆
もちろん、臨場感ばっちりなのは会場内の指定席!
ステージイベントは中でしか見れないので、
大迫力の花火を真下から見上げてみてはいかがでしょうか。
冬、夏、春といろんなシーズンに開催される海炎祭の花火。次回の開催日程などは、HPやFBで随時アップされますので要チェックです♪
琉球海炎祭 HP http://www.ryukyu-kaiensai.com/
琉球海炎祭 FB https://www.facebook.com/ryukyukaiensai
Hinata
神戸出身。西表島の生活を経て沖縄本島へとたどり着く。独自の感性で沖縄の物語を伝える。