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観光観光

2015.12.24

海の上にそびえる那覇の神社
波上宮で心洗われる癒し時間

writer : 阿久津彩子

波上宮
那覇市の中心部から徒歩で約15分。「波の上ビーチ」の崖の上、海の彼方を見渡すように「波上宮」は立っています。地元の人々からは「なんみんさん」の愛称で親しまれているこのお宮を今日は心静かにお参りしてみませんか。

ニライカナイ信仰が今に息づく静謐な空間

波上宮正面
沖縄では古来より海の遥か彼方に存在する海神の国「ニライカナイ」の神々に海の安全や豊漁・豊穣を祈願してきました。その祈りの聖地のひとつがこの崖端だったそうです。
手水舎
創建の経緯は明らかにされていませんが、敷地内から貝塚時代の土器片や明の時代の古銭が発掘されるなど、古くから沖縄や周辺諸国の歴史を見守ってきたことがうかがえます。
波上宮横
その後、琉球王国においても特別な扱いを受けた波上宮。琉球八社と呼ばれる八つの神社の中でも最上位に位置し、身近な神社として地元の人々に慕われてきました。正月三が日には毎年30万人もの人が訪れ、七五三やお宮参り、船のお祓いをされる方も多いそうです。

境内にはヤシの木にシーサー、赤瓦

境内
観光地や繁華街のすぐ近くにありながら緑に溢れる空間は清廉な空気が流れているかのよう。
鳥居をくぐると傾斜の強い坂道があり、境内へと続きます。
二つの小さな祠
二つの小さな祠は世持神社(左・よもちじんじゃ)と浮島神社の仮宮です。元々は別の場所にありましたが戦争などにより波上宮の敷地内に御神体を祀っています。
シーサー
本殿の両側には狛犬ではなくシーサーが見守り、本殿には沖縄らしい赤瓦が。ヤシの木が生い茂る様子は我々が想像する神社仏閣とは趣が異なりますが、実際に訪れてみると何の違和感もありません。
波上宮本殿
参拝の作法は本州と同様です。手や口を清め、本殿に賽銭を入れた後に鈴を鳴らして二拝二拍手一拝。こちらでは両膝を床について祈りを捧げる地元の人々の姿も見られ、神や自然に対する敬虔な念の深さを感じ取ることができるでしょう。

健康祈願、縁むすび、合格祈願、波上宮のお守り

波上宮のお守り
個人の場合は事前予約なしに当日お祓いの受付を行えますので、ご希望の方は申し出てみてください。また、社務所ではお守りやお札を求めることができます。
健康祈願の紅型守
こちらは健康祈願の紅型守。沖縄らしい紅型デザインは観光客に人気が高く、ご家族へのお土産にいくつか買って帰る人もいるのだとか。
フーフダ
地元の人々におなじみなのが「フーフダ」という御札です。家に邪悪なものを侵入させないように門の左右や住宅の四方に取り付けます。
本殿の右脇の扉
波上宮では立派なお社だけでなく、琉球古来の信仰の場も残されています。普段は閉鎖されている本殿の右脇の扉。ここから先は毎年6月30日の夏越大祓のみ許された場所なのですが、今回は特別に案内していただきました。
波上宮の奥に眠る御嶽
本殿のさらに奥、ここが波上宮の奥に眠る御嶽です。周囲には柵もロープもあえて設けず、かつての姿のまま神聖な場所を守り伝えてきました。
波の上ビーチ
いつも賑わう波の上ビーチがすぐ隣りにありつつ、漂う空気は別物。
御嶽から見える道路と大海原
今は道路が目の前を通りますが、当時は見渡す限りの大海原が広がっていたのでしょう。何百年もの間、この地で多くの人々が祈りを捧げてきたかと思うと、海風や波の音がよりいっそう強く迫り、聖地に宿るエネルギーを肌で感じることができます。
海側から見た波上宮
心と体を研ぎ澄ませて五感で受け止めるパワースポット。原稿では語り尽くせない静かな感動をご自身で訪れて確かめてほしいです。

スマートポイント

  • とっておきの撮影スポットは波之上臨港道路から。近隣の有料駐車場に車を停めて歩いて向かいましょう。
  • 隣接する旭ヶ丘公園は休憩スポットに最適です。遊歩道が整備されているので参拝前後にお立ち寄りを。雄大なガジュマルの木陰でひと休みできますよ。
  • 社務所は閉まっているものの参拝は24時間可能。早朝や日没後といった参拝客の少ない時間に訪れてみると、さらに心静かに過ごせます。

ライターのおすすめ

夜間は本殿がライトアップされており、神秘的な美しさを感じられます。昼間と別の表情を見せる夜の波上宮もおすすめです。

阿久津彩子

得意ジャンルは食・人・体当たり。沖縄の旬を味わえるおいしいお店から本当は秘密にしたい穴場スポットまで幅広くご紹介します。

INFORMATION最新情報は、各施設の公式ウェブサイト等でご確認ください。

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