多良間島の東部、集落より少し離れた
自然溢れる閑静な場所にある塩川御嶽。
「御嶽(うたき)」とは沖縄では神を祀った聖地のことを表し、
多良間島にも昔より島民の信仰の対象とされてきた
御嶽が数多く存在します。
御嶽の中のひとつ、
塩川御嶽は霊石が2個飛来しこの土地が鎮まった
ことから建てられたという言い伝えがあります。
観光
2016.01.25
writer : ほりかわくみ
多良間島の東部、集落より少し離れた
自然溢れる閑静な場所にある塩川御嶽。
「御嶽(うたき)」とは沖縄では神を祀った聖地のことを表し、
多良間島にも昔より島民の信仰の対象とされてきた
御嶽が数多く存在します。
御嶽の中のひとつ、
塩川御嶽は霊石が2個飛来しこの土地が鎮まった
ことから建てられたという言い伝えがあります。
塩川御嶽へと至る参道には約650mのフクギ並木が続いています。
推定樹齢200年以上のフクギが立ち並びます
県指定の文化財になっています
木々がとてもきれいに整っているようすを見ると
長年の間、島の人の手により大切に管理されてきたことがわかります。
650mと少し距離のある参道ですが
爽やかな風が吹き抜けて、気持ち良く散歩が楽しめます。
ちなみに「フクギ」は島のシンボルとして村木にも選ばれ
昔からジャンジャラギイの名で親しまれ、
防潮、防風、防火林として農産物や家屋を守る役割を果たしています。
参道を抜けると、そこに現れたのは御嶽の入り口にある鳥居です。
鳥居をくぐると赤瓦屋根の祠があり、その周囲にはフクギの老木をはじめ、
イヌマキやテハリボク、リュウキュウコクタンなどの木々が茂り
まるで御嶽を守っているかのような雰囲気が感じられます。
そんな木々が南国の強い太陽の日差しを遮り、祠のある所は他と違い
少しだけ空気が冷んやりしたような気がしました。
目には見えなかったけど御嶽の神様が通り過ぎたのかな?なんて
想像しつつ、静かにそっと手を合わせて挨拶をしました。
御嶽とはさまざまな祭事が執り行われる場所ですが
塩川御嶽でも年間を通していくつかの祭事が行われています。
旧暦の3月には麦の初穂祭、5月には粟の初穂祭、
6月には芋祭、9月には豊年感謝の祭などが行われており
300年もの間、先輩から後輩に受け継がれ現在に至っているとのこと。
また、社殿内にはこの御嶽が整備された1753年に建てられた
石燈籠があり、歴史の深さを見て感じることができます。
規模的にはとても小さな御嶽ですが、豊かな緑に囲まれた
自然豊かな場所で、ここに居るだけでも心癒される
パワースポットのような所でした。
多良間島での観光といえば、海のイメージが強いですが
島の歴史を感じる場所として、島巡りのコースのひとつに
入れていみてはいかがでしょうか?
■ヒトマタウガン
国の重要無形文化財の八月踊りが行われる場所として有名です。
■泊御嶽
海岸の近くにあり、船の出入港を守護する舟守の神が祀られています。
■宮古遠見台
その昔、宮古島からやってくる船を見張っていた場所。
他にも見て楽しめる史跡や御嶽がいくつかあるので
塩川御嶽と合わせて足を運んでみてください。
スマートポイント
ライターのおすすめ
観光する場所が少ない中、島の歴史を感じられる場所のひとつです。また自然豊かな緑に囲まれた場所にあり、とても癒されました。集落からも徒歩で行くことができるので、お散歩がてら訪れてみてはいかがでしょうか。
ほりかわくみ
初めての訪問時に魅了され、そのまま宮古島に移住し十数年が経過。趣味の写真を活かし島の良さを最大限に伝える。