沖縄本島北部を走る県道84号線は沖縄そば屋が軒を連ねる”そば街道”。その中間に位置する八重善もまた、必食の味を持つ繁盛店です。
観光
2016.02.26
濃厚!元祖いかすみそば
「八重善」で沖縄満喫ごはん
writer : 阿久津彩子
そば街道の中間地点に八重善あり
店内は家庭的でくつろげる雰囲気。隅々まで手入れの行き届いた空間にドライブの疲れもすっかり吹き飛びます。
レジ前では毎年2月にタンカンを販売しており、聞けば畑でとれた無農薬のもの。「見てくれは悪いですが本部町のタンカンは大ぶりで味もいい。ご旅行の方にはなるべく沖縄の食材を召し上がってほしいですね」と女将の並里智子(なみさと ともこ)さんはにこやかに語ってくれました。
一日10杯限定!元祖いかすみそば
お品書きにも地元食材を積極的に使っており、名物の「いかすみそば」(910円)は八重善のオリジナル。沖縄でおなじみのイカスミ汁や雑炊風のイカスミじゅーしーはよく見かけますが、これはありそうでなかったスタイルですよね。
メニューの誕生は釣り好きなご主人が白イカを釣り上げたのがきっかけ。そこからブレンドするスープや麺の太さなど試行錯誤を繰り返した末、イカスミのおいしさを存分に味わえる一杯にたどり着きました。
エプロンを付けて一気にすするとイカスミの旨味が濃ゆいのなんの! 予想していた磯臭さはいっさいなし。細麺と太麺の2種類をあえて混ぜた噛み心地も楽しく、具材はイカに豚肉、ごぼうと盛りだくさんです。仕込みに手間ひまがかかることから1日10杯限定、早いもの勝ちなのでお早めに!
いろいろ食べたい人は八重御膳がおすすめ
タクシーの運転手さんや地元マダムの利用も多く、全7品もの料理が並ぶ「八重御膳」(950円)はリピーターに人気の定食。沖縄そばにじゅーしー、もずくにミミガーといろいろな沖縄料理を少しずつ、ちょっぴり旅館気分で味わえます。
刺し身に添えられたシークヮーサーはそのまま食べても刺し身にかけても◎。もずく酢に対しては「今回のもずくはぬめりが少ないかも…」と不安そうでしたが、そうやって毎日料理に向き合っていると思うとかえって愛情を感じますよね。
ちなみに、うれしい誤算だったのがこちらの天ぷら。
ハンダマやよもぎといった季節の野菜を中心に揚げているのですが、どれも薄い衣でサックサク。正直申しますと、定食に付く天ぷらだけは本州版のほうがやっぱり合うと思うんです!
そばと定食、いずれもボリュームたっぷりで大満足。
しっかり腹ごしらえをしてから観光に出かけるのもいいし、遊び尽くしてから夕方に訪れてもいい。お座敷にはお子様用のイスもあるので家族旅行で利用するのも安心
ですよ。
シーサーにも注目!親子二代で守る愛情ご飯
さて食後はコーヒーをおすすめしたいのですが、それには理由があるの
です。平成7年に開業したお店は元々喫茶店。その面影を残すように店内にはコーヒーミルが置かれており、+200円といううれしい価格でホットコーヒーをいただけます。
現在は厨房に息子さんも加わり、親子2代で変わらぬ味を守るお店。再訪を誓いショップカードをもらうと、そこには豪快に笑うシーサーの姿が。「ああ、それは息子が描いたんですよ」。うれしそうに教えてくれた並里さんのお顔がこれまた素敵で、心までお腹い~っぱいになりました!
スマートポイント
- いかすみそばはエプロン必須!セットで登場するので食べる前に準備すべし。
- メニュー豊富で何度訪れても飽きません。沖縄そばだけでも野菜そば、本ソーキそば、てびちそば、天ぷらそばといろいろあります。
- 暖簾やお品書きに登場する絵も息子さんによるもの。ポストカードはおみやげに最適です。
ライターのおすすめ
ボリューム&愛情たっぷりでどれもおいしいおふくろの味。「増税で価格を変更するかもしれません…」とお店の人も話すほど、品数豊富でお得感満載です。次回はデカ盛りなみといわれる天丼(750円)に挑戦したい!
阿久津彩子
得意ジャンルは食・人・体当たり。沖縄の旬を味わえるおいしいお店から本当は秘密にしたい穴場スポットまで幅広くご紹介します。
INFORMATION
スポット名 | 八重善 |
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住所 | 沖縄県本部町字並里342-1 |
ジャンル | グルメ |
電話番号 | 0980-47-5853 |
料金 | いかすみそば910円、八重御膳950円 |
営業時間 | 11時~18時30分(売切れ次第終了) |
定休日 | 火曜日(祝日の場合営業、翌水曜日休み) |
駐車場 | あり(無料) |