池間島は、三角形の宮古島の頂点辺りから北西1.5kmにある
面積2.83km²、周囲10.1kmの小さな島です。
島の北東には、日本最大のサンゴ礁群「八重干瀬(やびじ)」が広がり、
ダイバーや釣り客に人気の島です。
海洋民族の島と呼ばれる池間島は、
シュノーケリングやダイビングで海を体感するのはもちろん
海とともに生きる海洋民族の歴史や技、
海洋民族ならではの食事などを知れば、
もっと海を感じられる、海の魅力が溢れる島です。
宮古島中心部からなら車で約30分、
1994年に開通した全長1420mの池間大橋を渡り、
池間島に行ってみましょう!
観光
2016.03.01
[池間島]海の魅力溢れる島
海洋民族の魂に触れる旅
writer : 砂川葉子
池間島でまず、海洋民族の血と技を感じる
池間島は、古くから海を行き来し漁を営んできたため、
「海洋民族」の島といわれています。
今では漁師さんもずいぶん減ってはいますが、
海洋民族の誇りと知恵、技が息づくのを池間漁港で感じられます。
停泊した船の近くで、石が山積みになっている所が何か所もあります。
これは、池間島伝統の石巻落とし漁に使うためのものです。
今から90年前に伝わったこの漁法は、
針に餌を付けたものをおもりの石、つまり山積みになっているこの石に、
ぐるぐると巻きつけて、魚がいる場所を狙って石を落とします。
糸と針、石だけを使うあまりにもシンプルな漁法は、
長年の漁師の勘、指先の感覚や技がなせるものです。
漁師達の漁場でもある「八重干瀬」は、
ダイビングやシュノーケルのスポットでもあり、
池間島観光の魅力は、とことんこの青い海にあるようです。
池間島の美しいビーチ、カギンミとフナクスビーチ
池間島といえば、やはり八重干瀬ですが、
島内のビーチも穴場として人気です。
一周道路沿いの「ロープ」とネットなどでは紹介されているビーチは、
地元では「カギンミ」と呼ばれる土地で
目印は左手側の茂みにあるヤシガニ保全の看板です。
場所がわかりにくいのが難点ですが、
草むらの奥の断崖に垂れ下がるロープを頼りに降りていくと、
独特な地形が神秘的なビーチがあります。
カギンミの少し先にあるのが、フナクスビーチ。
駐車場とトイレが完備され、池間島の中では利便性も高く、
遠浅のこじんまりとした居心地の良いビーチです。
どちらも、公共の海水浴場として指定を受けているビーチではありません。
その日の天候や海の状態などに十分注意の上、
自己責任での遊泳となることを心得てください。
池間島島民に聞いたオススメスポットは池間遠見台と池間湿原
池間島民からおすすめされた観光スポットは、
どちらも池間島の歴史とやはり海を感じさせる場所でした。
池間湿原は池間島のほぼ中心部にあり、
地元では「イーヌブー」と呼ばれています。
池間島はもともとは二つの島からできており、
池間湿原は海とつながった入り江でしたが、
漁港整備により海への流れが堰き止められ、
淡水の湿地が形成されることになり、
多くの渡り鳥や野鳥が飛来する場所になりました。
池間湿原への道は、草が覆い茂る舗装されていない道を行くので、
十分と注意してください。
池間遠見台は、ほとんど観光地化されておらず、
また池間島の神事「ミャークヅツ」などにかかわる
神聖な御嶽の近くでもあるので、
地元の方にガイドしてもらうことをおすすめします。
1644年に、薩摩藩支配の琉球王府によって設置され、
重大な役目を担ったこの場所からは、青い海と
池間大橋、大神島を望むパノラマが広がります。
池間島で池間島らしさを味わう、海の幸が堪能できるお食事処
池間島には新鮮な海の幸がいっぱいですよ!
池間漁協が運営する「池間食堂」では、
海洋民族の誇りとアイデアが溢れる食事、サメ料理が楽しめます。
池間大橋たもとにある池間島ドライブインには、
数件の食事処やお土産屋があります。
向かって右端の「海美来(かいみーる)」の名物料理はサザエそば。
屋上のテラス席で、池間大橋を望む雄大な景色の中で食べるそばは
きっと忘れられない味になるはず。
池間島の特産品のもずく、カツオの加工品、なまり節やカツオの南蛮つけ、
腹側のカツオの塩辛は泡盛に合うおいしい逸品です。
NHKの朝の連ドラ「純と愛」のロケ地となったハート岩の、
青い海を目の前に過ごせるビーチカフェでは、
自家製のマンゴージュースを飲みながら至福の時間をどうぞ。
ぜひ、ランチやティータイムも池間島で過ごすプランで、
1日かけて、ゆっくりと池間島での時間を過ごしてくださいね!
スマートポイント
- 池間島に来たら海洋民族の味、海の幸を食べてください。海洋民族ならではの食べ方に出合えます。
- 宮古島側の池間大橋たもとの駐車場からのぞむ海の色は格別です。ぜひ、立ち寄ってください。
- 池間島土産も、池間島の海を感じられます!半生の鰹節、なまりぶしや、カツオの南蛮漬け、カツオの腹側の塩辛など、漁師ならではの加工品がおいしく泡盛にも合う逸品です。
ライターのおすすめ
池間島は、ドライブで一周するだけではもったいないくらい、魅力溢れる観光スポットが点在する島です。ここに紹介しきれなかったスポットも数多くあり、私は1日で周りきれませんでした。
砂川葉子
岐阜県出身、宮古島諸島のどこかの小さな島に在住。農業と民宿業、島興し業と並行してライター業にも携わる。