来間島のムスヌン浜は、
決してメジャーなビーチではありませんが、
人気ない、こじんまりとした居心地のいいビーチです。
青い空と水平線を望むお昼間も、
空も海も雲もオレンジに染まるサンセットタイムも、
打ち寄せる波をぼんやりと見つめているだけで、
心も体も浄化されていくような、静かなビーチ、ムスヌン浜。
来間島のムスヌン浜で、ただただ波の音に身をゆだねてみませんか?
観光
2016.03.08
[来間島]小さな浜の島時間
波の音しかないムスヌン浜
writer : 砂川葉子
来間島・ムスヌン浜へのアクセスは?
まずは、ムスヌン浜へのアクセス!
非常にわかりにくく、集落内及び畑の中を進むので、くれぐれも安全運転でお願いしますね!
宮古島から来間大橋を渡り来間島へ渡り、「パニパニ」や「ヤッカヤッカ」など素敵なカフェが立ち並ぶエリアを過ぎると、四つ角に差しかかります。
ここをまっすぐに進むと、集落内を抜けて竜宮展望台やマンゴー農家さんが経営する「楽園の果実Café&お土産館」に至ります。
ムスヌン浜へはここを左折して直進、家々を過ぎ、そのまま道は畑の中を一直線に進みます。道はやがて、真正面に水平線を望む緩やかな下り坂となり、一周道路と交わります。カーブミラーがあるので、これを目印にしてください。
カーブミラーを超えてしばらく行くと、道はガードレールに沿って右側に折れます。
100mほど進むと、左折できる小道があるので、お見逃しなきよう。
ここを曲がれば、目の前に広がるのがムスヌン浜です。
ただそこにいるだけで癒されるムスヌン浜
ムスヌン浜の正面はサンゴ礁が隆起した岩場が広がり、
この岩場の右手には、小さいながらもとても美しいビーチがあります。
アダンやモンパの木、グンバイヒルガオなど南国特有の木々の緑とその独特のシルエットと、
ゴツゴツとした岩場にぐるりと囲まれたこじんまりとしたビーチ。
白い砂浜にぺたりと腰を下ろして、ただただ波の音を聞いて過ごす、
海とはそれだけで十分な気がします。
ムスヌン浜は、癒しというのでしょうか、海本来が持つ力、優しさや美しさが心と体に染みわたっていくようです。
海に向かって右手側に続くごつごつとした岩場沿いに歩けば、
その先にも小さな小さなビーチがあります。
ここは道路からの入口が非常にわかりにくく知る人ぞ知るスポット。まるでプライベートビーチのようですが、岩場沿いに行く場合は足元が悪いので、十分注意をしてください。
もう一つ、注意点を。ムスヌン浜は海流が早いため、海水浴などは不向き
です。
来間島のムスヌン浜でのサンセットタイムや星空観測
来間島のムスヌン浜には、昼間も夕暮れ時も、黄昏時も、夜更けも訪れる人を優しく包み込むような時間が流れています。
特に、ムスヌン浜は島の西側に位置しているので海に沈む夕日の美しさが格別です。また、人里から離れているため夜に星空観測をするのにもおすすめします。
サンセットを見た後や星空観測にムスヌン浜へ訪れた際には、来間大橋たもと近くの来間島東公園に立ち寄ってみてください。
オレンジのライトが灯った来間大橋のラインの先には、小さな夜景が広がっています。
昼間なら島内一の観光スポット竜宮展望台や、
楽園の果実Café&お土産館やパニパニなどのお洒落なカフェなどにも立ち寄って、こちらでも緩やかな島時間を満喫してください。
最後に、ムスヌン浜の由来と伝承行事について
ムスヌン浜、には「虫払い」という意味があります。
それは、来間島で行われる伝承行事と深くかかわっています。毎年旧暦4月の「ひのと」「牛」の日に畑の作物を荒らす害虫を海に送り、豊作を祈願する御願が、島民揚げてこのムスヌン浜で行われます。
御願の前日に酉年、卯年、亥年生まれの男が島中の畑からヨトウムシや蝸牛、青虫、イナゴなどの害虫を集め、御願の当日害虫を焼きます。これをシャコガイの貝に詰めて、海へ流し五穀豊穣を祈願します。
午後からは島中の人々がムスヌン浜に集い、歌や踊り、相撲を奉納しお祝いをします。
旧暦4月のころは、島は葉タバコもゴーヤーや冬瓜などの島野菜栽培も最盛期で非常に忙しい時期ではありますが、この日だけは弁当を持って浜に足を運び、祈りを捧げ唄や相撲の興じ、日々の労働をねぎらう骨休みの日でもあるのです。
来間島のムスヌン浜は、島の人々が大事に守り、豊作への願いを捧げてきた特別な浜なのです。
スマートポイント
- 来間島にあるムスヌン浜は、メジャーなビーチではありませんが、人気なく緩やかな空気が流れる居心地の良いビーチですが、海流が速いため海水浴はおすすめしません。また、トイレやシャワーはありません。
- ムスヌン浜には、虫払いという意味があり、年に一度島人がここで豊年祈願をする場所で、島人にとっても大切で神聖な場所です。ゴミなどは決して捨てて帰らぬようにお願いします。
- 来間島は、竜宮展望台などの観光スポットやお洒落で居心地に良いカフェもあるので、合わせて観光をしてゆったりと島で過ごすのをおすすめします。
ライターのおすすめ
私にとっても非常に思いで深いムスヌン浜。泳ぐのは向いていませんが、ただただぼんやりと過ごす、それだけでいい場所です。
砂川葉子
岐阜県出身、宮古島諸島のどこかの小さな島に在住。農業と民宿業、島興し業と並行してライター業にも携わる。