四方八方に枝分かれした迫力ある一本松。久米島が誇る五枝の松は、樹齢250年以上ともいわれ、琉球王朝時代から、人々に愛され続けている琉球松です。生命の息吹を感じる五枝の松は、ほれぼれするほど美しく、訪れた人は自然と足が止まってしまいます。
カメラ持参で訪れてもらいたい、五枝の松の魅力をご紹介しましょう。
観光
2016.08.24
[久米島]樹齢は250年!
沖縄二大名松・五枝の松
writer : 糸数麻美
国内でも珍しい一本松
五枝の松は、国指定の天然記念物で、高さ6m、幹の周りが約4・3m、枝が地面を覆う面積は、250㎡にも及ぶ大きな松の木です。伊平屋島の念頭平松とともに、沖縄県の二大名松としても有名で、日本の名松100選にも選ばれています。古くから、波を打つかのように踊る枝は、天下随一ともいわれてきました。国内でも、こんなに枝を広げている一本松は、非常に珍しいそうです。
外から見ているだけではなく、遊歩道もありますので、横へ横へと伸びている松の内部をじっくり鑑賞できます。
ぐねぐねとしたこの枝は、なんだか無数の竜が住んでいるようにも見えてきませんか?生命力に溢れたこの空間は、どことなく神聖な空気が漂っています。実際に、こちらにお賽銭を置き、お参りをされている方もいるようです。
見所は、松だけではありません。久米島の歴史を感じさせる史跡「ウフガー(産川)」と呼ばれる井戸も松の近くに残されていますので、こちらもお見逃しなく。
駐車場前には、五枝の松おみやげ品店や公衆トイレも完備されています。
五枝の松おみやげ品店に入る前に、ちょっと気になる張り紙も発見しました。久米島の中でも、ここは穴場ショップなのかも!?しれませんね。
島内でお土産を選べる観光施設は、数少ないので、こちらもぜひのぞいてみてくださいね。
クメジマホタルの生息地
五枝の松の敷地内には、きれいな川が流れています。
毎年5月上旬ごろから、五枝の松では、世界でも久米島の川だけにしか生息していない、貴重なクメジマホタルを鑑賞することができるんです。
今年も暗くなるのを待って、私も家族と見てきました。暗闇の中、光のパレードのように、あちらこちらに輝く無数のホタルの乱舞に、子ども達は大興奮していました。撮影がなかなか難しく、今回、かろうじて成功?した1枚をお届けします。
これが、天然の光!?と目を疑うほど、幻想的なホタルの光。ホタルをまだ見たことがないという人は、間違いなく感動することでしょう。
島人気分でお買い物
五枝の松周辺は、見所スポットもいくつかあります。地元の人が通う「山里ゆんたく市場」は、まるで道の駅のよう。新鮮な島野菜や沖縄のお土産品が並び、訪れる人の目を楽しませてくれます。冬瓜のわざび漬けなどのお惣菜が並ぶ日もあり、それを目当てに足を運ぶ地元の奥様方もいるそうです。
紅いも菓子・いもっこは、山里ゆんたく市場内で製造している手作りのお菓子で、こちらにしか置かれていないレアな商品です。何度も試行錯誤して作られた自慢の一品は、無添加でとても優しい味わい。中身は、紅芋・でんぷん・砂糖のみ、至ってシンプルなお菓子ですが、地元キッズも大好きで、袋を開けると手が止まらず、すぐになくなってしまう。そんな人気のおやつなんですよ。
お店のスタッフもフレンドリーなので、島野菜の食べ方なども快く教えてくれますよ。島人になった気分で、お買い物を楽しんでみてはいかがでしょうか。
五枝の松周辺は、地元の人が利用するおもしろいお店や飲食店も多々ありますので、ガイドブックを片手に(空港内の観光案内所でも貰えます)久米島探検をしてみるのもオススメですよ。
スマートポイント
- 暑い時期の夕方は蚊が多いため、五枝の松を見学する際は、虫よけスプレーがあると安心です。
- 五枝の松おみやげ品店の営業時間は、観光バスに合わせ10時~17時ごろまでオープンしているそうです。年中無休ですが、沖縄のお盆の時期(旧暦)は、お休みの場合もあり。
- 山里ゆんたく市場は、毎日取れたての野菜や手作りのお惣菜が並んでいます。農家さんによって、野菜が置かれる時間は異なるそう。10時~19時まで営業しているので、タイミングが合えば、珍しい島野菜と出合えるかもしれません。
ライターのおすすめ
太陽がギラギラの真夏でも、松の下は日傘を差したように涼しく感じ、久米島の自然の力強さをダイレクトに感じる場所です。五枝の松おみやげ品店やゆんたく市場での、地元の人とのおしゃべりも楽しいので、気になるものを発見したら、ぜひ交流してみてください。
糸数麻美
東京出身。元旅行代理店カウンター勤務。島で唯一のベビーシッターが、魅力いっぱいの久米島をご案内します。