学校跡地に広がる手作り王国
今帰仁の里あいあいファーム

自然派レストラン農家の食卓へ

校門をくぐると青々としたグラウンドが現れ、どこか懐かしい校舎や体育館の佇まいとともに、南国らしい植栽の数々に一気に非現実世界へと引き込まれます。

案内マップで全体図を確認すると、レストランや宿泊施設の他に直売所やカフェまである充実ぶり。とても短時間では回りきれないので、まずは一番人気のレストランへと足を運んでみました。

あいあいファームが運営するレストラン「農家の食卓」は、自社農園で育てた有機野菜を中心とする地産地消の食材が味わえるお店です。食育の基本である ”まごわやさしい” を実践しており、心だけでなく身体も喜ぶヘルシーなランチメニューを提供しています。

こちらではメイン料理を一品注文し、ご飯やお味噌汁、種類豊富な副菜はブッフェ形式で自由に楽しむスタイル。今回は施設内で生まれた有機卵を使った豆腐のカツ煮をメインに選び、ブッフェ込みで980円（税別）というから大変お得です。

どれも自家製！まごわやさしい総菜ブッフェ

ランチタイムのお惣菜は常時10種類ほど、”まごわやさしい” をテーマに毎日日替わりで提供しています。まごわやさしいとは、食事の中で積極的に取り入れたい健康的な食材「まめ・ごま・わかめ（海藻）・やさい・さかな（魚介類）・しいたけ（きのこ類）・いも」の頭文字を取った言葉ですが、いつもの食事ですべてをバランス良くいただくのは難しいもの。野菜不足になりがちな旅先で健康食材をたっぷりと味わえるのは貴重ですよね。

お惣菜はもちろんのこと、グリーンサラダにかけるドレッシングまですべて自家製というのもうれしいです。野菜をベースに作られたドレッシングは食べるサラダのような感覚。他にも沖縄の肉味噌 ”あんだんすー” や豆乳、味噌、天然酵母パン、無添加ジャムなどもファーム内で製造しており、どれも好きなだけお替りできます。

さらに驚いたのがこちらの島豆腐。スーパーで売っているものと比べて７～８丁ほどの大きさでしょうか。こんなビッグサイズのお豆腐を目にすることはなかなかありません。まるでチーズのように滑らかな舌触りと国産大豆100％で仕上げられた濃厚な味わいが美味。早朝５時から島豆腐作りが始まり、できたての熱々がランチに登場するそうです。

自分の食欲、胃のキャパシティと相談しながらたくさんの副菜を選び、完成したランチがこちら。お野菜たっぷりなので見た目もきれいで華やかです。

豆腐のカツ煮は先ほどの自家製島豆腐をカツに見立てた名物料理。薄切りの豚肉を巻いて揚げているので物足りなさはなく、ふわふわととろける有機卵との相性は抜群です。

ご飯のおかずなのに、天然酵母パンにもついつい手が…。甘酸っぱいパインと自家農園で育てたタンカンのジャムは着色料や保存料を使用せず、果肉がそのまま残るフレッシュな食感でスイーツのようなおいしさでした。

食後は敷地内を散策

存分にお腹と心を満たした後は敷地内を少し散策してみましょう。グラウンドに建つヤギのおうちでは子ヤギのユキちゃんが温かく迎えてくれますよ。


となりの鶏舎では140羽ものニワトリが飼育されており、生みたての新鮮な卵はレストランで使用される他、ファーム内の直売所でも購入することができます。



カフェを併設した直売所は駐車場のすぐ近く。卵や島豆腐は数量限定なのでゲットしたい方は早めに訪れるのが良いかも知れません。ランチに並んでいた天然酵母パンやあんだんすー、ドレッシングといったオリジナル商品もお土産にぴったりです。

宿泊施設、手作り体験学習もおすすめ

もっとゆっくり過ごしたい人はぜひ宿泊を。あいあいファームでは実際に使われていた教室をリノベーションし、和室・洋室・和洋室合わせて16室のお部屋を用意しています。長い廊下や水飲み場などにかつての面影を感じるのですが、客室に入るとガラッと雰囲気が変わって素敵です。

やんばるの自然を眺めながら読書をしたり、ソーセージや島豆腐などの各工房の様子を見学したりと、ここでの滞在方法はあなた次第。事前予約をすると沖縄そば打ちや島豆腐などの手作り体験にも参加できます。また、季節によってはファーム内で育てた野菜の収穫体験も開催しており、採れたての野菜をそのままガブリ！なんてこともできますよ。

野菜・果物の生産から加工、販売までの６次産業を一貫して行う手作りファーム。豊かな自然と安全でおいしい食事、心揺さぶられるような懐かしい時間を皆様も味わいに来てみませんか？大人も子どもも、きっと長居したくなるはずですよ。