観光
2015.03.22
本島最北端の大石林山で
運気アップ
writer : 中本岩郎
どうせ北部に行くのなら
南の島の沖縄であっても、北部、中部、南部、離島等と
それぞれの地域に色濃い名所が点在する。
沖縄本島最北端といえば辺戸岬を思い浮かべる方が多いと
思うが、岬のすぐ手前に太古の石を鑑賞できる大石林山
という施設があるのをご存知だろうか。
受付を済ますと、公園の入り口まではバスで送迎してくれる。
山道なので多少の揺れはご愛嬌ということで。
入り口にはトイレや休憩できるカフェもあるので、
一息つける憩いの場。
石に宿りし力とパワースポット
この一帯の山林は安須杜(アシムイ)と呼ばれ、
中には40を超える御願所や拝所があり、
琉球王府時代から聖地として崇められていた。
昔から聖なる地として伝えられてきた安須杜の
一部を歩くことができ、
体力や見たいモノに合わせて「美ら海展望台コース」
「亜熱帯自然林コース」「巨石・石林感動コース」
「バリアフリーコース」の4つのコースから選べる。
車イスやベビーカーでも安心なバリアフリーコース、
多くの人に施設を楽しんでほしいという心配りが伝わる。
今回は「巨岩・石林感動コース(1km約35分)」から
「美ら海展望コース(700m約30分)」に移るという
自称「欲張りコース」を回ることに。
足元にはチップが敷かれるなど歩道は整備されているので、
比較的歩きやすい。
雨に備えて要所要所に傘が設置されており、
夏場は日傘が置かれるというので、
多少の雨や強い日差しでも歩ける。
歩いていて驚くのは無数の岩と摩訶不思議なカタチ。
岩にはそれぞれ「ふくろう」「巨人の腰掛」
「らくだ」などの名前が付けられており、
中にはお客さんやお子さんの声から命名されたものもあるという。
岩肌にゴツゴツした凹凸があるのは、
水分に含まれるバクテリアに侵食されたため。
深い緑の中で、気が遠くなるほど長い歳月を掛けて作られた自然の芸術。
西遊記の孫悟空が生まれた岩山をイメージして命名された、
その名も「悟空岩」。2億年前に地殻変動で隆起した石灰岩が
雨水などにより侵食され、全ての岩を形作っている。
パワースポットの岩は「林山の壁」と呼ばれ、
地上界と天上界の神様が集うと言われる。
人間の骨盤の形をしている「骨盤石」には、
子宝を願う人が遠方からも訪れる。
三回くぐると生まれ変わると伝えられている
「生まれ変わりの岩」
美ら海展望台ステージから果てしなく続く海を眺めると、
本島の先端に来ていることを実感できる。
この日は生憎の曇り空だったが、
奥に見えるのが与論島、沖永良部島、
そして手前が本島最北端の辺戸岬。
写真を撮影しながら歩いたため二時間弱かかったが、
不思議と長くは感じなかった。
これもパワースポットのお陰だろうか。
自然の生命力を感じる下山道
山から降りるとスタート地点の休憩所に到着。
そのままバスを利用して下まで降りてもいいが、
今回は亜熱帯森林コースを歩いて下山することに。
先ほどまでの山とは雰囲気が異なり、
ソテツやガジュマルの木が生い茂っている。
御願(ウガン)ガジュマルと呼ばれる樹には、
キジムナーが住むと伝えられてる。
この根が地面につくと、
養分を吸い上げ一つの柱のようになっていく。
自らの命を繁栄させるべく、
無数に伸びていくガジュマルの生命力は圧巻だ。
下山になると坂に従って足は進むが、
無理せず緑々とした空気を吸いながらゆっくりと歩き、
三十分程で元の受付まで降りてこれた。
パワースポットや自然も魅力的であるが、
施設の受付から最後の送り出しまで、
係員の人達が優しく声をかけてくれる。
この施設のパワーは自然だけではなく、
働く人からも出ているのではないだろうか。
そんな気がした大石林山。
神々しい森は古くから地域の神聖な場所として拝まれており、
大切な場所であることを忘れずに。
期間限定のイベント情報や割引券もあるので、
サイトをチェックしてから訪れよう。
中本岩郎
地域の青年会に所属し、エイサーを通し真心溢れる沖縄の人々の虜に。地域に根付く文化の深部を発信する。
INFORMATION
スポット名 | 大石林山 |
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住所 | 沖縄県国頭村字宜名真1241 |
電話番号 | 0980418111 |
料金 | 入山料 大人:820円 小人:520円(4歳〜中学生) |
営業時間 | 受付時間 9:00〜17:00(18:00閉園)4月〜9月 9:00〜16:00(17:30閉園)10月〜3月 |
定休日 | 年中無休 |
備考 | ※ガイドツアーは事前予約が必要です。 HP : http://www.sekirinzan.com/ |