沖縄が琉球と呼ばれていた時代から、海を越えて沖縄を訪れる人達を唄と踊りでもてなすために、また沖縄の人達の大衆娯楽、行事として、発展・継承されてきた伝統芸能の数々。
沖縄文化の根底にあるものに触れ、共感し、観客と舞台が一緒になって創り出す舞台公演が「Ship of the Ryukyu」です。
古典芸能や伝統の質を保ちつつ、観光で訪れる皆さんにも楽しんでもらおうと、バラエティに富んだ演目「マグネットコンテンツ」(沖縄の芸能文化を活かしながら、芸術性にエンターテインメント性を持ち、磁力のように観る人を魅了する作品のこと)をそろえ、2012年の立ち上げからジワジワと人気が出てきました。
舞台は、国際通りのてんぶす館などを中心に開催。言葉がわからなくても楽しめると、海外からの観光客達の夜のエンターテインメントとしても注目されています。
琉球のおもてなしを、ぜひとも体験してみませんか?
観光
2017.09.22
那覇で沖縄芸能を堪能できる
「Ship of the Ryukyu」
writer : Naoko Uchima
最大の魅力は舞台と観客との一体感
初めて沖縄の舞台を観るという人にも、何度も観ている人からも評判の高い、「五月九月(ぐんぐゎち くんぐゎち)」、「ボトルメール」、最新の「ルン♪ルン♪バルーン♪琉球舞踊」の脚本・演出を担当されている富田めぐみさんに、見所をうかがってきました。
舞台は、古典芸能や伝統芸能、雑踊りなど、格調高いものから一般大衆の娯楽までさまざま。唄や踊りに込められた喜怒哀楽の表現は、奥が深いといわれています。
観客が次第にリラックスして、リズムに合わせて手拍子をしたり、声を上げて笑ったり。沖縄の唄や踊りのリズムに、昔ながらの島の空気や雰囲気を感じることができる舞台は毎回表情が変わる生きもののよう。この観客と演者が一体となって作り上げる空気感が「Ship of the Ryukyu」の一番の魅力だとか。
趣向を凝らした新しい試み
伝統や古典をしっかり踏まえて、現代の視点で繰り広げられる舞台には、世界のどこにでも共通する笑いや悲しみがあります。「Ship of the Ryukyu」の演目は、英国エジンバラ演劇祭や、フランス・アヴィニヨン演劇祭でも高く評価されています。
伝統を踏まえた新しい試みは、大人から子どもまで幅広い年代のお客様を魅了し、親子孫の三世代でも楽しめる内容となっているのも特徴です。
観光で沖縄を訪れた方が、国際通りのてんぶす館で観る「Ship of the Ryuku」をきっかけに沖縄芸能に興味を持ち、沖縄旅行の目的の一つに観劇が加わってくれたら、うれしいと富田さんは話してくれました。
創作エイサーから地域の芸能までバラエティに富んだ演目
マグネットコンテンツはバラエティに富んでいます。下記を参考にしてみてはいかがでしょうか。
EISA-SPIRIT REQUIOS・王朝伝(エイサー スピリット レキオス・おうちょうでん)
琉球王朝のストーリをテーマに創作エイサーで、魅せる迫力あるパフォーマンス。音楽プロデューサーに「ミルクムナリ」を生み出した日出克さんを迎えた音楽も魅力です。
ルン♪ルン♪バルーン♪琉球舞踊
舞台背景や小道具にポップな彩りのバルーンアートを使い、伝統芸能をより身近に感じてもらえる工夫に溢れた作品。皆でバルーンを膨らませて世界に一つだけの舞台を作ってみてはいかがでしょう。
MITTMAN(ミットマン)
沖縄発祥の空手と日本の伝統的な和太鼓を斬新にアレンジしたパフォーマンスとコメディが組み合わさったエンターテインメントショー。大人も子どもも気がつけば笑顔になる観客参加型のステージ。これまでの「Ship of the Ryukyu」になかった新境地を開いた作品。
沖縄燦々(おきなわ さんさん)
琉球古典舞踊のみならず、沖縄芝居や映画などでも活躍する知花さゆりさんを中心としたユーモラスな踊りと、沖縄のバンド、しゃかりのボーカルチアキさんが唄三線を担当する楽しい魅力満載の舞台です。
スマートポイント
- 公演は、毎年秋から冬にかけて行われており、その年や、月によって演目は変わります。訪れるたびに、違う舞台(約一時間)を楽しめます。沖縄の言葉がわからなくても十分に堪能できますよ!
- 公式ホームページや、ガイドブックの『るるぶ』、『じゃらん』からもチケット購入が可能です。夜の観光や雨の日におすすめです。当日予約可能な場合もありますが、必ず観たい舞台は事前予約を!
- 沖縄ではエンターテインメントとしての舞台や芸能公演が盛んで、大人から子どもまで、幅広い年齢層でも一緒に楽しめるものばかりです。親子や三世代の旅行にぴったりなプログラムもあります。
ライターのおすすめ
まずは一度観劇してみて、おもしろかった舞台の演出や音楽、役者などから、掘り下げてみてはいかがでしょう。初心者はもちろん、沖縄観光リピーターにもおすすめです。スケジュールはこちらから
Naoko Uchima
地域に根ざした情報をグローバルな視点で捉え、楽しく、ディープな沖縄のヒト、モノ、コトをご紹介。
INFORMATION
スポット名 | Ship of the Ryukyu マグネットコンテンツ舞台公演 |
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住所 | 沖縄県那覇市牧志3−2−10 那覇市ぶんかテンブス館4Fてんぶすホール、 沖縄県那覇市久茂地1-1-1 パレット久茂地9Fパレット市民劇場他。 各公演ごとに要確認。開催年により、変更の可能性あり。 |
ジャンル | 夜のエンターテインメント |
電話番号 | 098-987-0926(土・日、祝日を除く平日9時〜17時)、070-2839−4738(土・日曜日) |
料金 | 一般2,500円、高校生以下2,000円、未就学児のみ膝上鑑賞無料 |
営業時間 | 公式サイトのプログラム参照 |
定休日 | 公式サイトのプログラム参照 |
駐車場 | あり(那覇市ぶんかテンブス館等、近隣の有料駐車場利用) |
備考 | HP : http://magnetcontents.net/ facebookページ |