沖縄は日本一広大な海に囲まれた、海洋国家ならぬ海洋県。
遠い昔から沖縄の人々の暮らしは海と共にあり、
その豊かな恩恵にあずかってきました。
そんな海の恵みを糧としているのが、
沖縄で海人(うみんちゅ)と呼ばれる漁師さんたち。
今回は、読谷漁協が行っている大型定置網漁体験の紹介です。
観光
2024.11.13
マンタにウミガメも!?
引け、読谷沖の大型定置網!
writer : 牧
読谷村の都屋漁港から船で出発
AM6:30、読谷村の都屋漁港にやってきました。
出港は7:00。早朝であれば那覇市内から車で約40分で着くので、
頑張って早起きしましょう!
こちらが読谷村沖に仕掛けられている、大型定置網の模型。
魚の習性を利用して、右端の袋状の網に追い込む形になっています。
水深40mの海底に仕掛けられた、長さ360m、幅60mの巨大な網・・・
これは引き上げるのに骨が折れそうだ!
今回お世話になる漁船、第八よみたん丸。
大きな獲物を引き上げるためのクレーンが搭載されていますね。
これが必要なほどの大物に出会えますように・・・・!
船で目指すは港から2.5kmの沖合
今日は波もなく、揺れも小さいので体験にはうってつけ。
天気の女神に微笑まれつつ、ライフジャケットを着けたら、
期待に胸を膨らませていざ出港!
港からほんの15分ほどで、目的の大型定置網までやってきました。
黄色い浮きが海中の定置網の目印。
まずはペアを組んでいる小さな漁船が網に向かいます。
2台の船で網を端っこから引き合い、
魚たちを徐々に網の中心に追い込んでいきます。
網が巨大なので一部をウィンチで巻き上げつつも、
大半は漁師さん自らの手で揚げるんですね。
作業をじっと見つめてみると、
ほとんどの漁師さんが素手でロープを掴んでいます。
以前、現役漁師さんの掌に触れたことがありますが、
同じ掌とは思えないほど硬く、まるで岩のようで、
私とは全く違う世界に身を置いているのだと強く感じたものでした。
「網が狭まってきたからこっちにおいで!一緒に引こう!」
漁師さんから声がかかり、ついに網を引く時がやってきました!
初めて握る、定置網の感触。
大漁の重みや魚の突撃に耐えられるよう、しっかりしたつくりのようです。
目の前の船との距離は、およそ2m。
この袋の中に、一体どんな魚が入っているのか・・・
考えただけで、興奮が止まりません!
その姿を現した、海の恵みたち
さらに網を狭め、ついに魚たちとのご対面です!
「うわーーーー!すんごいビチビチしてるーー!」
船から一斉にあがる歓喜の声。
網の中で力強くはね回る魚たちが、参加者を大いに喜ばせてくれます。
その中でも、私は網の中に飛び込まんばかりの大興奮!
漁師さんたちは手馴れたもので、
網の中に次々とタモ網を差し込んでは、魚たちをすくい上げていきます。
魚たちも必死の抵抗で、はね回ってカゴから飛び出るもの多数。
対する漁師さんも、急所を刺したり、氷水に投げ入れたりと素早く応戦。
海面でも船上でも、魚と漁師さんとの格闘が繰り広げられます。
そう・・・これが見たかった!
網の中には、魚以上に参加者を喜ばせてくれるものが・・・。
引き揚げられているのは大きなアオウミガメ!
あまりに重すぎるのでクレーンに吊り上げられ、
宙を舞って船に運び込まれるカメの姿は、なんだか滑稽。
そして、読谷漁協ではウミガメの肉を買うこともできるんです!
興味のある方は買ってみませんか?
こちらは横幅が人ほどもある、マンタことオニイトマキエイ。
尻尾の方をよく見ると、コバンザメがくっついています。
こんな状態になっても離れないなんて、まさに一蓮托生!
私なら即刻逃げ出すと思うんですけど。
マンタは売り物にならないのか、吊り上げられて
そのまま海にリリースされていました。もう迷いこまないでね。
カメやマンタは比較的よく網に掛かるのだそうですが、
過去には8mものジンベイザメが入っていたこともあるそうですよ!
そんな場面に出くわしたら、それこそ一生モノの経験になることでしょう。
定置網体験の締めには
最後の一匹まで収獲し終わり、体験も終盤へ。
帰りの船路で、漁師さんから参加者に振る舞われるものがあります。
たった今、捕れたばかりの魚の刺身!
口に運ぶと素晴らしい歯ごたえに旨味が広がり、とにかく美味しい!
これ以上新鮮な沖縄の魚を味わうことのできる場所が
どこにあるでしょうか?ないでしょうね!
漁師さんと参加者だけの特権でしょう!
刺身も食べ終え、船は8:30前には都屋漁港に到着。
これにて大型定置網漁体験は終了です。
漁師さんは「今日は少なかったよ」と言いますが、
初体験の私たちにとってはこれ以上ないほど大満足の内容でした。
単に漁を見て、網を引くだけでなく、
心踊らされるようなウミガメやマンタとの出会い、そして新鮮すぎる刺身。
朝少し早起きする必要はありますが、
眠気なんて一気に吹き飛ぶほどの興奮を味わえる大型定置網漁体験。
マリンスポーツもいいけれど、
沖縄の海にはこんな楽しみ方があるということも、
覚えておいてくださいね!
※こちらは、2015年5月26日公開の記事となります。更新日はページ上部にてご確認いただけます。
※記事中の写真、価格は取材当時のものとなります。
牧
JTRIP Smart Magazineライター。高知県出身、2006年より沖縄在住。
INFORMATION
スポット名 | 読谷漁業協同組合 大型定置網体験 |
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住所 | 沖縄県読谷村字都屋33 |
電話番号 | 098-956-1640 |
料金 | 大人 3,000円、高校生1,800円、小・中学生1,800円 |
営業時間 | 7時出港(6時30分集合) ※所要時間 約2時間~2時間半(漁獲により変動あり) 受付時間 平日 月~金 AM9:00 ~ PM5:00 (土、日曜、祝祭日は除く) ※ 月曜日および祝日明けの体験のご予約はお電話でお願いします。 |
定休日 | 日曜、祝祭日、他 |
駐車場 | あり |
備考 | ライフジャケットの着用及び安全を優先にスタッフの指示に従う事 波が3mを超えると欠航。その場合、漁協から前日16時までに連絡あり |