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観光観光

2024.11.08

首里城一のビューポイント
西(いり)のアザナ

writer : いのうえちず

沖縄観光で首里城を訪れる人は多いのですが、
西(いり)のアザナまでしっかり楽しんで帰る人は
半数にも満たないかもしれません。
ここは無料区域内にある見どころの一つで、
首里城で一番のビューポイントなのです。
首里城マップ
行くなら夕方、日没の時間帯がオススメ。
東シナ海に沈む夕日が見られます。
首里城の開園時間は季節によって異なるので、
事前に確認してから行きましょう。
手にスタンプを押してもらえば一時外出・再入場も可能。
開園時間によっては日没後、
ライトアップされた城内へ戻ることも可能です。
ちなみに首里城の有料区域に入るなら、
午後のほうがオススメです。
理由は二つ。
午前中は団体旅行の観光バスが多く、落ち着かないこと。
那覇市内に宿泊した団体は
朝一番に首里城へ来るパターンが多いため、
首里城公演の来場者数は午前中がピークなのです。
平日でも駐車場は満車になります。
もう一つは首里城正殿は東を背にして建っているため。
午前中は逆光になって、正殿前で撮る記念写真は
人物が黒くなる残念写真になりがちなのです。
(写真は夕方、順光の首里城正殿)
首里城

西のアザナの行き方

西のアザナへ向かう道
正殿・下の御庭方面から来る人は、
首里杜館(すいむいかん)・木曳門(こびきもん)に向かって
左手奥を目指してください。
木曳門から入った人は、正殿に向かって右手へ。

西のアザナって、どんな場所?

アザナとは島言葉で物見台の意味。
首里城には東西にそれぞれアザナがあり、
このうち現在は西のアザナのみ一般開放されています。
西のアザナには、島添アザナという別名もあります。
西のアザナへの道しるべ
首里・那覇の言葉では、
お日様が上る東をアガリ、日の入る方角=西をイリといいます。
北はニシ、南はフェー
(地域によってハイ、ハエ、パイなどとも)。
文字通り、西方向に面した物見台が西のアザナで、
ここは標高の高い首里から、
北谷から那覇、豊見城、南風原、太平洋側の与那原までを
グルリと大パノラマで見渡せる場所。
王府時代は那覇港に入る船を見張ったり、
島伝いに烽火(のろし)で
伝えられる信号を見る場所でもありました。
西のアザナからの太陽
儀保駅方面
末吉公園や儀保駅方向。
浦添の向こう側が北谷町。牧港の火力発電所も見えます。
西のアザナからの那覇新都心方面
ツインタワーマンションなどが並ぶ那覇新都心。
西のアザナからの空
那覇市街地。那覇空港を発着する飛行機もよく見えます。
東海岸側
東海岸側、与那原町方面まで見えます。
これだけ視野が開けた西のアザナに立つと、
首里城の立地が戦略的にいかに重要であったかがよくわかります。
だからこそ、ここに首里城が築かれ、
第二次世界大戦では地下に日本軍の司令部壕が構築されたのです。

西のアザナでトワイライトタイムを楽しむ

夜景
晴れた日は慶良間諸島の向こうに、
渡名喜島や久米島が見渡せます。
沖縄で夕日を見るといえばビーチが定番ですが、
日没後の夜景まで楽しめるという点で首里城は隠れた名所。
地元ではデートスポットにもなっています。
西のアザナからの夜景
とはいえ、夕焼けの素晴らしさはその日の天候と運次第。
台風が来る前日の夕焼けは、信じられないような
ピンク~紅~紫のグラデーションが見られることが多いので、
早めの飛行機で帰ることができなかった場合は
見に行ってみてください。
日没後、眼下に広がる那覇の街に灯りがともり始めたら、
首里城のライトアップも始まります。後ろを振り返ってみると…
ライトアップされた首里城
ここでしか見えない、ロマンチックな景色が広がります。
ライトアップされた首里城の門
ライトアップされると、首里城もまた違った趣。
これを見ないで帰るなんてもったいない!
こうしたトワイライトのひとときを、
沖縄の島言葉では「アコークロー」といいます。
湖とライトアップされた首里城
すっかり暗くなってからの首里城は、
龍潭越しに見るとまたステキ。
首里へ遊びに来るなら、
午後からアコークローまでゆっくり楽しんでいってくださいね。

※こちらは、2015年3月22日公開の記事となります。更新日はページ上部にてご確認いただけます。
記事中の写真、価格は取材当時のものとなります。

いのうえちず

沖縄に惹かれて2011年移住。沖縄の文化誌『モモト』副編集長。歴史・文化系の記事が得意。​

INFORMATION最新情報は、各施設の公式ウェブサイト等でご確認ください。

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