首里城を観光するなら、ぜひ首里金城町の石畳道にも立ち寄って。
モノレールで移動する人には、駅から徒歩1分の「ポタリング首里」で
レンタサイクルを借りるのがオススメ。
フリー乗車券を見せるか、首里駅の改札を出る際に切符に「無効印」を
押してもらったものを提示すれば200円引きになります。
ここのレンタサイクルは電動アシスト付き。
坂道の多い首里もラクラクです。
レンタカーの人は首里金城町にある無料駐車場(交通広場)を
利用しましょう。
交通広場の入り口はココ。見落とさないようにご注意を。
ただ一つ難があるとすれば、無料なので満車になりがちなこと。
その場合は周辺の有料駐車場を使ってください。
多少歩いてもOKという人は、
金城ダムの向かい側の無料駐車場を使う手もあります。
交通広場を出てすぐに遭遇するのが、この井戸です。
首里には湧き水が多く、昔の井戸があちこちに残っています。
道路がアスファルトで覆われ、
地下水そのものが減って枯れてしまったような井戸もありますが、
それでも雰囲気はバツグン。
時間に余裕のある方は、湧き水めぐりをしてみるのも楽しいですよ。
こちらは仲之川(ナーカヌカー)の入り口。
奥にはこんな石積みの井戸が。
なかなか風情があります。
観光
2015.03.22
実は軍用道路だった!?
首里金城町の石畳道
writer : いのうえちず
真珠道に秘められた歴史
ガイドブックでもおなじみの風景、
実はこの石畳道は「真珠道(まだまみち)」といい、
有事の際は那覇港へと素早く兵隊を送り込むために
王府が整備した軍用道路の一部なのです。
「琉球は武器を持たない、平和を愛する国なのでは?」
と思う方もいるかもしれません。
実はそのフレーズは史実を正確に伝えているとは言えません。
王府には三交代制で那覇などを守る
「ヒキ」と呼ばれる防衛軍のような組織があり、
倭寇船など外敵の襲来に備えていました。
1609年に薩摩が侵攻してきた時も、
一度は那覇港から敵を追い払うことに成功しています。
時の尚寧王は苦渋の選択を迫られ、結局降伏の道を選んでいますが、
王府の中には徹底抗戦を訴える武将もいました。
時は流れて昭和。
戦前まではこのような石畳の道があちこちにあったそうですが、
その多くは第二次世界大戦で失われてしまいました。
首里金城町は海抜の高い首里城の陰になって
海からの艦砲射撃を受けなかったため、
奇跡的に石畳が残ったと言われています。
歩き疲れたら村屋でひと休み
石畳道の途中には、「金城(かなぐすく)の村屋(むらやー)」
と呼ばれる伝統的な木造家屋があります。
ここは首里金城町自治会の会合などにも使われる
公民館的存在の施設。日中は休憩所として開放されています。
縁側に座って、ひと休みするのもいいかもしれません。
村屋のお隣、金城大川(ウッカー)もお見逃しなく。
樹齢300年の巨木に会いに行く
金城町散策の見どころの一つは、樹齢300年を越えると言われる大アカギ。
入り口は三ケ所ありますが、
今回は石畳道からの行き方を2パターンご紹介します。
まず一つ目は、おなじみのこの石敢當のところを左へ入るルート。
クランク状に曲がった路地を奥まで進んでください。
もう一つは、村屋近くのこの看板のある石畳道へ入るルート。
これまた細い路地ですが、
その奥には、住宅地の中とは信じられないような鬱蒼とした空間が。
アカギの巨木に守られるように、御嶽があります(写真左下)。
ここは『琉球国由来記』(1713年)にも登場する由緒ある御嶽で、
地元の人に今も大切にされています。
大アカギの足元には、こんな看板が(笑)。
何か願いごとのある人は試してみてもいいかもしれません。
時間に追われてあくせく観光地を回る旅行はもう卒業。
大アカギの葉を揺らす風の音を聴きながら、
ゆっくりしていってくださいね。
いのうえちず
沖縄に惹かれて2011年移住。沖縄の文化誌『モモト』副編集長。歴史・文化系の記事が得意。