沖縄本島北部唯一の世界遺産・今帰仁城跡(なきじんじょうせき)。
美ら海水族館→今帰仁城跡→古宇利島(こうりじま)というコースで
ドライブを楽しむ方も多いのですが、今回は今帰仁城跡から出発して
トレッキング気分が味わえる「ハンタ道」をご紹介します。
観光
2015.03.22
ハンタ道で
プチトレッキング
writer : いのうえちず
「ハンタ道」ってどんな道?
ハンタとは沖縄の島言葉で崖や急な坂という意味。
その昔、今帰仁城跡へと登城するルートとして整備された道です。
今帰仁城跡のハンタ道は、バラエティに富んだ地形が楽しめるのが特徴。
グスク側から今泊集落へと降りるルートは初心者向け、
上級者は今泊集落側から一気にグスク最上段の主郭まで登城しましょう。
初心者向けゆったりコースは、今帰仁城跡からスタート!
レンタカーは今帰仁城跡駐車場に置きます(駐車料金無料)。
コース上に歴史的スポットが点在するため、
まずはグスクと今帰仁村歴史文化センターを見学して、
歴史や地理を知ってから出発するのがベスト。
割引チケットは、道の駅許田や今帰仁村仲宗根の「今帰仁の駅そーれ」
などで購入できます(大人400円→320円)。
最初のポイントは、ハンタ道に入ってすぐ右手の
今帰仁ノロの火ヌ神(ひぬかん)の祠。
火ヌ神とはカマドの神様のことで、沖縄では今でも家庭の台所に
火ヌ神が祀られ、大事にされています。
台湾や中国の道教に影響を受けた民間信仰の一つで、
西日本で盛んな荒神様との共通点も。ここは今帰仁村を取り仕切る
ノロ(神に仕える女性、琉球では女性が祭祀を司ります)の屋敷跡に、
火ヌ神だけが祀られています。
現在も地元の参拝者が絶えない祈りの場です。
次にあらわれるのが、阿応理屋恵の火ヌ神。
今帰仁から北の一帯を取り仕切る
上級神女・阿応理屋恵の屋敷があった場所です。
火ヌ神の祠の奥にも祈りの場があり、遠く海を見渡すことができます。
第三ポイントは伴のかねノロの火ヌ神の祠。
ここは今帰仁ノロのお供をしたノロの屋敷があった場所。
しばらく進むと道がY字に分かれるので、右手の下り坂へ進みましょう。
すると右手に「ミームングスク」と呼ばれる
不思議な石積み遺構が現れます。
ここは「見物」つまり物見台だったと考えられている場所です。
ハンタ道は時期によって歩きやすさが異なります。
亜熱帯の沖縄では夏場は植物の勢いが強く、
草刈りをしてもすぐに生えてきます。
写真は1月下旬の「桜まつり」の頃。
きちんと整備されて歩きやすくなっています。
この辺りまで来ると、聞こえるのは鳥のさえずりと風の音だけ。
マイナスイオンたっぷりの空気に癒されます。
階段状に整備された岩場。
下から見上げると若干険しさを感じさせますが、
中級以上の山ガールの皆さんには物足りないかもしれませんね。
ゴールは「親川」と呼ばれる湧き水スポット。
水道のない時代は、ここで生活用水を汲み、水浴びもしていたそうです。
ここから今泊集落までは「宿道」と呼ばれる道が続きます。
今泊で引き続き歴史散策を楽しむのも良いでしょう。
もちろん、来た道をそのまま引き返す方法も。
トレッキング初心者には、舗装道路へ出てグスク方面に進み、
途中、慰霊碑のある場所から左手に入って
なだらかなルートを歩くという手もあります。
リピーターにオススメしたい、亜熱帯の森あるき
グスク外郭から親川まで下ると片道約30分。
途中の石階段は雨が降るとすべるのでご注意を。
長そで・長ズボン着用の上、飲み物・帽子・虫よけスプレーをお忘れなく。
足元は履きなれた運動靴で。
歴史と自然を感じながらのプチトレッキングは、
沖縄旅行リピーターの皆さんにオススメ。
今帰仁ののんびりした魅力を満喫できますよ。
いのうえちず
沖縄に惹かれて2011年移住。沖縄の文化誌『モモト』副編集長。歴史・文化系の記事が得意。
INFORMATION
スポット名 | 今帰仁城跡(出発地) |
---|---|
住所 | 沖縄県国頭郡今帰仁村字今泊5101番地 |
電話番号 | 0980-56-4400 |
料金 | 大人 400円 小中高生 300円 小学生未満 無料 |
営業時間 | 8:00~18:00 (季節により開園延長を行う) |
定休日 | 年中無休 |
駐車場 | 有(無料) |
備考 | HP:http://nakijinjo.jp/ |