「沖縄美ら海水族館」などで知られる沖縄本島西北部、本部半島。
その西海岸の、遥か海上にぽっかり浮かぶ、“とんがり山”を、
沖縄北部経験者なら誰もが一度は目にしことがあるかと思います。
本部港から、フェリーでおよそ30分。手軽にいけちゃう「伊江島」で、
島のシンボル、“タッチュー”に登ってみませんか?
観光
2015.06.22
[伊江島] の象徴といえば!な
“タッチュー”をお気軽登山
writer : 小川研
正式名称は「城山」で“タッチュー”は島外の愛称
沖縄本島北部の北西9kmにある伊江島。島のシンボルは、
何と言ってもタッチューの名で親しまれる「城山(ぐすくやま)」です。
タッチューとは、琉球の方言で“垂直上方に伸びている様”を表します。
その姿かたち通り、“とんがっている”という意味ですが、これは実は、
島外からの愛称であり、島民からは、一般に「グスク」、
もしくは「グスクヤマ」と呼ばれています。
島のほぼ中央付近に位置する標高172.2m、島のどこにいても見られる、
独特な頂きは、見る角度で形が変わるので、チェックしてみましょう。
頂上から広がるダイナミックなパノラマ!
中腹部までは、クルマや自転車などでアクセス簡単。また、
登山口の前には、トイレや商店もあるので、安心です。
最初、密林に伸びる登山道も、
少し進めばコンクリートの階段が整備されているので、
子どもやご年配の方でもトライできます。
ただし、全体的に道幅は狭く、勾配もかなり急です。
時期によっては、かなり混み合うので、ご留意を。
歩くこと10~15分…。
生い茂る木々が少なくなり、突然目の前に開ける、青い空。頂上です!
足元から広がる雄大な視野は、まさに360度の大パノラマ!
伊江島全体を悠々と見下ろせるので、何だか島を、
いや、世界を手中に収めたかのような、そんな大きな気になります(笑)
東の方角には、沖縄本島のダイナミックな島影が広がり、
とりまく周辺の島々が景観にアクセントをもたらします。
南東には水納島に瀬底島。天気が良く、空気が済んでいれば、
東方に古宇利島、そして北東には、伊是名・伊平屋の各島も。
さらにその先の与論島まで拝めるかもしれません。
目印であり聖地であり地質学的にも貴重な存在
沖縄本島北部や東シナ海の海上からもよく見えることから、
古く航海の目印ともされてきたタッチューは、
沖縄の聖地「御嶽(うたき)」の一つでもあります。
さらに、実は地質学的にも貴重とされているのをご存知でしょうか。
「城山は、島より7千年も古く、世界でも珍しいオフスクレープ現象
(古い岩盤が新らしい岩盤に潜りこむ中で一部が剥がれて新しい
岩盤の上に乗る現象)によって形づくられました。
この現象は、理論として語られていたが実際に見るのは世界でも
伊江島しかありません。」と、村のホームページに記されています。
そんな豆知識を頭に入れて登ってみると、
広がる風景も、またひと味違うかもしれませんね。
小川研
世界を歩きまくって醸成されたオンリーワンのフィルターを媒介し、沖縄情報を立体的に熱(苦し)く伝える。