八重山地方は日本の南端に位置するため、
沖縄本島や内地とは異なる星座を観ることができます。
夏の石垣島では「南の島の星まつり」が開かれており、
全島一斉のライトダウンも行われます。
ただ、ライトダウンが必要ということが示す通り、
市街地は夜も明るいため、星を見るには
移動しなければならないことも…
夜の遠出はしんどいな、と感じる方のために、
市街地付近にありながら星を観るには十分すぎるほど”真っ暗”な
「多田浜海岸」をご紹介します。
観光
2019.09.27
[石垣島]市街地泊でも大丈夫
多田浜海岸でらくらく星空観察
writer : 光森裕樹
「多田浜海岸」への行き方は?
多田浜海岸は、真栄里ビーチに繋がる海岸一帯を示します。
まずは、レンタルDVDの「GEO」やホームセンター「メイクマン」を
目指しましょう。
それぞれ島内に一店舗だけですので、
カーナビや地図アプリで簡単に見つけることができます。
GEOとメイクマンの間にある交差点を、海を目指して南に進みます。
商業施設が多く、夜も明るい場所から一転して、
あきらかに”この先は何もなさそう”という雰囲気の道が続きます。
写真は、夕陽が沈むころを撮影したものですが、
街灯がないのが分かるかと思います。
夜には真っ暗!星が観察できる駐車スペース
すぐに行き止まりとなり、そこに駐車スペースが広がっています。
何台かの車が見えますね。
夕方の海岸は、地元の人がよく訪れます。
ペットと一緒に海岸を真栄里ビーチまで往復したり、
ぼんやりと海を眺めたり…
残念ながら、方角的に夕陽が沈むのを見ることは難しいのですが、
涼しくなった夕空の下をのんびりした時間が流れています。
星の観察は、この駐車スペースでも大丈夫です。
特に、子ども連れの場合や、星を撮影したいという場合には、
足場がしっかりしているこの場所のほうが安心かもしれません。
ヤドカリがあふれる夕暮れの海岸
写真は、海岸に続く砂利道です。
夏場には、自分が歩くのに合わせて、小石が転がるような音が
あちこちから聞こえてくることがあります。
なんと、小さなヤドカリが殻に身を隠した拍子に転がってしまう音です。
時には、足の踏み場もないほどヤドカリであふれる海岸ですが、
砂利や砂地の上ならば、彼らは多少踏まれてもへっちゃらです。
海岸に出てきました。
ちょうど夕陽が沈むころなので、
ゆっくりと暮れてゆく空の色の変化を楽しみます。
ごつごつした岩肌からも想像できるとおり、
多田浜海岸は遊泳できません。
また、写真はちょうど干潮の時間帯の海岸ですが、
満潮の時には手前の白い砂地まで潮がきます。
夜に来るときには、十分に注意してくださいね。
夜はお店の看板を目印に
GEOとメイクマンの間にある交差点を、夜になって再び訪れてみました。
お店の看板が明るいうちは、
多田浜海岸への目印として役立っていますが、
深夜になるとそれぞれのお店も閉まり、灯りも乏しくなります。
余裕があれば、明るいうちに一度立ち寄っておくのも
いいかもしれません。
満天の星空を思い出に
海岸で「さそり座」を撮影してみました(青い線で結んであります)。
「さそり座」のように分かりやすいかたちの星座を目印にすると、
いろいろな星座が覚えやすくなります。
「さそり座」の尻尾は天の河に浸かっています。
そこから天の河を天頂にたどると、
「こと座のベガ」「わし座のアルタイル」「はくちょう座のデネブ」を
見つけることができます。
その3つの星を結ぶと「夏の大三角」になります。
石垣島のきれいな海だけではなく、
満天の星空も思い出話になるといいですね。
※こちらは、公開日が2015年8月12日の記事となります。更新日は、ページ上部にてご確認いただけます。
スマートポイント
- 星空観光の際には、空模様だけではなく、「日本気象協会」のウェブサイトなどで月齢と月の出・月の入りも確認しておきましょう。月の光は想像以上に明るいため、星が見づらくなってしまいます。
- ギリシア神話や織姫と彦星の物語のように、土地それぞれに夜空の物語があります。もちろん、沖縄や石垣島にも、固有の星の呼び方や昔から伝わる物語があります。調べてみると、星の見方が変わりますよ。
- 石垣島はウェディング姿を写真に収める「フォト・ウェディング」が盛んです。星空を背景にして夜の海岸で撮影が行われていることも。花嫁・花婿さんに出会った時は、祝福の言葉を。
ライターのおすすめ
星座早見盤はGPSによる位置情報検知に対応したスマートフォンのアプリを利用するのが便利です。「ナイトモード」などの暗所での閲覧に適したモードが備わっていると、画面と星空の見比べが楽になりますよ。
光森裕樹
歌人。様々な土地を旅する中で石垣島に惹かれて移住。のんびりとした豊かな時間を感じるための情報をお届けします。