東京・日本橋に店を構える「日本橋さるや」は、宝永年間に創業した江戸時代から続く楊枝専門店。300年続く老舗です。楊枝といっても、私たちがよくみかける白い木肌の白樺などの木を使ったものとはちょっと違います。日本橋さるやの楊枝はクロモジという木を原料とした一本一本手作り。江戸時代からの伝統ある黒文字楊枝を通なあの方へのお土産にいかが?
お土産
2016.11.17
日本で唯一の楊枝専門店
日本橋さるやで粋なお買い物
writer : ハタレイコ
日本橋の路地の一角に広がる楊枝の世界
日本橋三越前の大通りから小さな路地を入ったところにある「日本橋さるや」。白に紺の暖簾が清々しい小さなお店です。ガラス張りのドアを開けると小さなお店の中には様々な商品が所狭しと並んでいます。お店自体は新しくも並ぶ商品に老舗の風格を感じるお店です。
意外に古い!楊枝の歴史
なんと、楊枝を初めて使ったのは10万年前のネアンデルタール人!?歯の化石についた筋が堅い楊枝で歯をこすった跡だと推測されています。10万年前とは気が遠くなりますね。時は流れ、古代インドで歯木と呼ばれる小枝で歯の清掃をするようになり、それが中国から日本に伝わったのは奈良時代。歯木とは、木の枝の一端を噛んでブラシのような形状にしたものです。その後、江戸時代には現在の楊枝の形状のものが小間物屋などで広く販売されるようになりました。文化末期(1815年)、江戸には楊枝屋が249軒もあったそうですよ。
100%クロモジを使う日本橋さるやの楊枝
クロモジ(黒文字)は、北海道から九州までの全国の山野に自生するクスノキ科の落葉低木。葉や枝を蒸留すると芳香のある黒文字油が取れて石鹸や化粧品の香り付けに用いられるほか、漢方の生薬の一つでもあります。クロモジは身体に良い上に、弾力性があり折れにくくささくれない、楊枝には最適な原料なのです。日本橋さるやは現在でも100%黒文字を使用した楊枝を販売しています。
金運も一緒に運べそうな千両箱!
日本橋さるやの楊枝は贈答用の桐箱に入っているのが特徴。「金千両」と描かれた桐箱は、縁起がいいと江戸っ子にも人気だったそうですよ。お土産に千両箱を贈ったら喜ばれること間違いなし!ほかにも「大入り」や歌舞伎の熊取など桐箱の種類はいろいろ。選ぶのも楽しいですね。
十二支をコレクションしたい干支楊枝
千両箱とともに人気を集めるのが、毎年の干支にちなんんだ干支桐箱。毎年秋頃から予約する方もいらっしゃるとか。お年賀などのほか、出産のお祝いにも良さそう。個人的にも毎年購入して、十二干支を揃えたくなりますね。
ギフトセットや、小分けのセット販売
ちょっと張り込んだ贈り物にぴったりの詰め合わせセットも各種揃っています。同様に日本橋の老舗「日本橋鮒佐」とのコラボギフトセットは、佃煮と黒文字リキュールと楊枝という組み合わせ。お父さんにも喜ばれそうですね。
スマートポイント
- お店は細い路地に面しています。入るところを見逃しがちなので気をつけて。
- 辻占楊枝は、楊枝に恋の歌が丁寧に巻かれた粋なもの。20本入り300円とお手頃なお値段なので、気軽な東京土産にぴったりです。
- こちらも東京土産にふさわしいさむらい楊枝は、一本一本にセリフの書かれた小さな紙が巻かれています。外国の方にも喜ばれそうですね。
ライターのおすすめ
千両箱は楊枝の種類により、大きさもまちまち。どの千両箱を贈るか悩んでしまいます。自分用には、小さな布製の楊枝入れがおすすめ。楊枝を2〜3本、化粧ポーチに忍ばせておくと便利です。
ハタレイコ
九州出身、食いしん坊部屋。美味しい食べ物とお酒が欠かせない性分のPRコーディネーター。日本の伝統文化に興味があり、少しずつ歴史ある街の散策を始めている。
INFORMATION
スポット名 | 日本橋さるや |
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住所 | 東京都中央区日本橋室町1-12-5 |
ジャンル | 楊枝 |
電話番号 | 03-5542-1905 |
料金 | 辻占楊枝300円(税別)〜 |
営業時間 | 10時〜18時 |
定休日 | 日曜・祝日 |
備考 | アクセス:東京メトロ銀座線・半蔵門線「三越前駅」より徒歩5分 HP:http://www.nihonbashi-saruya.co.jp/ |