江戸の薫りが残る東京・人形町で、江戸料理を今に伝える名店「よし梅」。地下鉄「人形町」駅ほど近くに2店舗と売店を構えています。中でも戦前から残る建物そのままの「本店」と「芳町亭」は、今ではなかなか味わえない本物の江戸の粋と下町情緒たっぷりの風情ある空間。海外のお客様が多いというのも頷けます。在りし日の東京を感じつつ、美味しい江戸料理で東京旅行の1ページを彩ってみませんか?
グルメ
2016.08.13
江戸の粋と下町情緒薫る老舗で
美味しい江戸料理を堪能!
writer : 西宮めぐみ
芳町(よしちょう)に住む「うめ」さんが開いた「よし梅」
創業は昭和2(1927)年。店名の由来となった「芳町」は昭和52年の町名改正で消滅してしまいましたが、今なお江戸情緒が色濃く残る地です。江戸時代には芝居小屋が立ち並び、その後、明治、大正、昭和と花街として大いに賑わいました。今なお現役芸妓が花街の伝統を守り伝えています。
大観音寺脇の路地にひっそりと佇む「本店」
石畳の細い路地の奥がよし梅本店の入口です。入って左手は、小料理屋として創業した当時の面影を残す白木一枚板のカウンターとテーブル席。
奥は、靴を脱いであがる個室エリア。掘りごたつや座敷など大小10の個室があります。芸者の置屋だったのを後年繋げたのだそうで、設えやちょっとした意匠にも粋な味わいが。ゆったり寛ぎたくなる素敵な空間です。
気軽に楽しめるランチメニューが嬉しい!
夜はコース料理が主体ですが、よし梅本店ではランチタイムにお手頃な御膳も用意されています。予算も千円台から。こんな素敵な空間を気軽に楽しむことができるなんて贅沢ですね。
ひと味もふた味も違う!料亭の「焼き魚御膳」
この日は焼き魚はキンメの西京漬。程よく締まった身は脂が乗っていて旨味たっぷり!厚みもあって食べ応えもあり!板前さんによる絶妙な焼き加減に、程よく効いた味噌の風味が食欲を刺激します。副菜のアジの南蛮漬けも、酸味の丸い上品な味わい。お土産に人気というのも納得です!
人気の「まぐろのづけ丼御膳」で江戸料理の奥深さを堪能
職人仕事の美しい端正な姿にうっとり。一口食べて、上質なまぐろの香りと後味の良さにため息。イクラの塩気と共に、または醤油をつけてと風味の変化も楽しい!茶碗蒸しや小鉢のお出汁の利かせ方もさすが、料亭ならではの繊細な味わいです。
名物は”江戸の二大鍋”と呼ばれた「ねぎま鍋」
丁寧にひいた鰹出汁でまぐろのトロを赤味がほんのり残る程度に煮てネギなどの野菜と一緒にいただく「ねぎま鍋」は、よし梅の看板料理。冬場は8~9割のお客様が注文するそうですよ。江戸後期から伝わる庶民の味を、厳選素材の出汁で贅沢に仕上げた逸品は、お刺身のまぐろの味しか知らない方など、その上品な味わいに驚くそうです。
「よし梅」の楽しみがさらに広がる魅力的な「売店」
売店では、お店で出している西京漬けやあじの南蛮漬けの他、惣菜や弁当も販売。2階のカフェでは和惣菜×カレーのセットも!もちろん、出汁から手作り。健康にも配慮したメニューも人気です。
スマートポイント
- 調度品や装飾品にもぜひご注目!よし梅本店では貴重な「江戸の町火消の寄せ板」が見られます。しかも3種類!それぞれ飾る場所に意味があるのですが、見て分かったらかなりの通です。
- ランチはどの料理でも席の予約可能!個室の場合は3,500円以上の料理が条件ですが、運良く空いていれば予約なしで個室に通してもらえることもあるそうですよ!
- ランチでも「ねぎま鍋」を一人7,000円で二人前以上から注文できます。旅の疲れを癒しつつ、靴を脱いでゆったりと鍋を楽しむなんて粋な午後はいかがでしょう?
ライターのおすすめ
支店の「芳町亭」は、今はもう使えない贅沢な素材を使い、大正から昭和初期の職人の技を凝らした風情溢れる数寄屋造りの一軒家。花柳界全盛期の待合や名女優・花柳小菊宅だった歴史を持つ登録有形文化財です。
西宮めぐみ
東京都出身。その土地の味を通して、その地の魅力や文化に触れるのも、旅の醍醐味!レストラン広報時代に鍛えられた胃袋ありがとう。一人旅好き。
INFORMATION
スポット名 | よし梅 人形町本店 |
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住所 | 東京都中央区日本橋人形町1-18-3 |
ジャンル | 江戸料理 |
電話番号 | 03-3668-4069 |
料金 | 焼き魚御膳1,500円、まぐろのづけ丼御膳1,900円 |
営業時間 | 11時~14時、17時~22時 |
定休日 | 土曜日・日曜日・祝日(12月と1月の土曜日夜は営業) |
備考 | アクセス:東京メトロ日比谷線・都営浅草線「人形町駅」 A6出口より徒歩1分 東京メトロ半蔵門線「水天宮前駅」8番出口より徒歩5分 HP:http://www.yoshiume.jp/top.html |