日本人にこよなく愛されている国民食といえば、カレー。今回ご紹介するのは、日本最古のインド料理専門店にして、日本一有名なカレー店「ナイルレストラン」です。1949年のオープン以来、訪れる客のほとんどが注文するという「ムルギランチ」は必食の一品。二代目、三代目が引き継ぐその味は、まさに日本のカレーの歴史そのもの!
グルメ
2016.09.14
東京人が詣でるカレーの聖地は
最古にして最強の老舗。
writer : 鈴木美和
東銀座にある、日本一有名なカレーの老舗
「ナイルレストラン」は東京・銀座の歌舞伎座近くにあります。開店と同時に人が集まり、2階席まであっという間に満席。ユニークなのは、9割の人がメニューも見ずに「ムルギランチ」1500 円を注文すること。メニュー選びに迷っていると、インド人スタッフがすかさず「ムルギランチがおすすめよ」とアドバイスしてくれます(笑)。
9割のお客が注文する「ムルギランチ」とは?
そんな看板料理「ムルギランチ」はライス、骨付き地鶏もも肉、ルゥ、マッシュポテト、炒めたキャベツが一皿に盛り合わせてあるのが特徴。テーブルに置かれても、すぐに手をつけるべからず。スタッフが目の前で鶏肉の骨を外してくれるのを待ち、「全部混じぇて」のセリフを聞いてから食べるのがお約束です。
混ぜて混ぜて混ぜるべし!
とにかく混ぜる、徹底的に混ぜます。するとどうでしょう。7時間かけて煮込んだ鶏肉の柔らかさ、旨みたっぷりのスパイシーなルゥ、キャベツのみずみずしさ、じゃがいもの甘みが相まって、なんともいえないおいしさに!ちなみにムルギとはヒンドゥ語で“鶏肉”の意。ムルギランチはディナーでも注文できます。
隠れた人気メニューも見逃せません
それだけじゃありません。あわせて注文する人が多いという、トマト味のスパイシーなスープ「ラッサム」600円もぜひ。目が覚めるような鮮やかな赤色、一口味わえば、ピリッとしとした辛さと酸味が食欲をかきたてます。ナイルレストランのサイドメニューは東京にあるカレー店のなかでも個性派ぞろいです。
巧みなスパイス使いに脱帽!の一皿
熱狂的なファンの心をつかむ「チャンナマサラ」1250円は、ひよこ豆(=チャンナダーラ)の炒め物。初代A・Mナイルさんが南インドのケララ州出身だったこともあり、名産のココナッツが入っているのが特徴です。スパイシーなのにまろやかで優しい味、複雑で香り高いスパイスが後を引き、ビールのおつまみにもぴったりです。
ディナーはお得なコースをぜひ
賑やかなランチも良いですが、本格的なインド料理を落ち着いて楽しめるディナーもおすすめ。夜限定の「日替わりおまかせコース」2800円は揚げ物、マサラ、メニューにあるものや、ないものも織り交ぜた数品、締めはムルギランチという充実の内容。インドビールだけでなく、果実味たっぷりのインド産ワインも人気です。
※メニューの金額はすべて税込です。
スマートポイント
- 大切にしているのは、料理やスパイスだけじゃありません。毎日、羽釜でご飯を炊くのも創業時から受け継ぐこだわりの一つ。甘みのあるライスがカレーの味を引き立てます。
- 銀座の中心にあり、通し営業なので、観光の合間や好きな時間にふらりと立ち寄れる便利さもグッド。
- オリジナルのレトルトカレーやスパイス、豆粉で作る揚げパン「パッパル」やインド紅茶などお土産もバリエーション豊富。お店の味を自宅でも楽しめます。
ライターのおすすめ
いつも笑顔で迎えてくれる二代目主人のG・Mナイルさん。メディアでも活躍するイケメン三代目主人、ナイル善己さんがしっかりと店を仕切り、インド人スタッフはみなフレンドリー。お客さんに長く愛される老舗は、誰を連れていっても安心できますね。
鈴木美和
フードライター。東京のレストランガイド、美味しいお取り寄せの記事を主に手がける。食雑誌「dancyu」や「料理通信」、読売新聞をはじめ様々な紙媒体やウェブに寄稿。好きなものは肉と寿司とショコラ、という長年の雑食ぶりがたたって、着々と体重が増加中。
INFORMATION
スポット名 | ナイルレストラン |
---|---|
住所 | 東京都中央区銀座4-10-7 |
ジャンル | カレー、インド料理 |
電話番号 | 03-3541-8246 |
料金 | ランチ、ディナーともにスープ600円~、主菜1250円~ |
営業時間 | 11時30分~21時30分、日祝~20時30分 |
定休日 | 火曜定休 |
備考 | アクセス:地下鉄東銀座駅から徒歩1分 HP:http://www.ginza-nair.co.jp |