「世田谷パン祭り」は、東京のお店をはじめ日本中からおいしいパンと、パンを愛する人たちが集まるお祭りです。7回目を迎えた2017年のテーマは、「パンと世界」。日本や世界のパンにまつわる歴史や文化が紹介され、ますますパンの魅力に引き込まれそう。晴天に恵まれた2日間には約5万人が来場し、過去最多の140店舗が出店、販売されたパンは約1万2000個にものぼり、どの会場も大盛況。そんな、10月に開催されるフードイベントとして恒例となった「世田谷パン祭り」を紹介します!
グルメ
2017.11.08
全国のおいしいパンが東京に!
世田谷パン祭り
writer : 原智子
どこでどんなパンに出会う!? まずは会場をチェック
「世田谷パン祭り」は、渋谷駅から東急田園都市線で一つ隣の「池尻大橋駅」から程近い『世田谷公園』を中心とする世田谷区三宿エリアの複数会場で同時に行われます。場所によっては、しばらく並ばなくては入れない会場や時間割りが決まっている講座やイベントなどがあります。もしもあなたが「お目当てのパンを買って、しっかりイベントも参加したい」という場合は、計画を練っていきたいですね。もちろん「のんびりパン祭りの雰囲気を楽しんで、そのとき買えるパンを味わうだけでも満足」という人もいると思います。いずれの場合も、パン祭りの全体像を知っておくのは便利ですから、まずはエリアマップを紹介します。
※画像は2017年のエリアMAPです。
メイン会場1,世田谷ものづくり学校エリア
メイン会場1は、「池尻小学校第二体育館」「池尻小学校校庭」「IID 世田谷ものづくり学校」からなるエリア。その中でも、世田谷区以外のパンや、パン祭り公認のオーガニック品などが買える体育館は、開場前から行列ができるほどの大人気です!
個性的な約50店による自慢のパンは、どれもおいしそうで何を買おうか迷うほど! 女性店員の笑顔が素敵な「boulangerie LEBOIS(ブーランジェリールボワ)」の「三色オザモンド」は、三宿三食パンコンテスト(※後述)にもエントリーしています。「coco bagel(ココベーグル)」の「スティックベーグルサンド沖縄ぜんざい」は、沖縄ぜんざい(沖縄独特のかき氷)をベーグルサンドで表現したパン。沖縄の本店にも並んでいない、このイベントで初登場した商品とのこと。見た目もユニークですが、少しトーストしたらベーグルのコシと白玉のグニュ感が絶妙で、初めての味わいでした。
校庭は入場制限なく、ステージのライブやDJを楽しみながら、地元の三宿四二〇商店会や専門店によるフードやドリンクを味わえます。
アルジェリア出身のご主人が焼く「kikot(キコット)」の「カサラ」は、同心円に並んだ焼き目と、薄くて丸い形が特徴的。サハラ砂漠の遊牧民が300年以上も前から食べていたパンで、噛むほどに味わいがあります。
「世田谷パン祭り」では、パンをモチーフにしたグッズや、ブレッドの味を引き立てるジャムなども売っています。「恋するパンみくじ」をひいていた女性二人組は、「フードコーナーの『大衆イタリア酒場ダビンチ』で売っていた『手作りソーセージのホットドッグ』が、大きくておいしかった!」と話してくれました。
世田谷ものづくり学校内は、自由にショップの見学やカフェの利用ができます。教室では、「世田谷パン大学」の講座やさまざまなワークショップが開催されます。人気の講座「世界のパンを食べ比べ!世界7カ国8種類のパンを味わおう」では、フィンランドや中国などの珍しいパンや、アメリカやフランスなどの定番パンを食べながら、その歴史や背景を学びました。「コーカサスの国ジョージアを食べよう! 話題沸騰!ジョージアのパンとワイン長寿の秘密のヨーグルト」では、ジョージアの伝統的なパンである「ハチャプリ」を仲間と焼いて、チーズたっぷりのもちもち食感を味わいました!
メイン会場2,世田谷公園エリア
公園入り口から続く「パンマーケット」には、「世田谷区内の人気パン店」のブースが並びます。体育館同様、入場待ちの行列がやや長いですが、パン好きならぜひ買いたい商品がいっぱい!
「もう少し気軽にパンを食べたい」という人は、噴水を中心にしたエリアにある、キッチンカーを利用するのはいかがでしょう。ジャムやグッズなど“パンのおとも”をあつかうテントもあります。さらに、世田谷パン祭りにインスパイアされて始まった地方のパン祭りのPRブースも初出店し、パン愛好家が交流していました。
親子連れには、子どもの楽しめるワークショップが人気! ふらりと立ち寄った人は、予約なしのワンコインで参加できるお手軽講座を体験したり、みなさん思い思いに楽しんでいました。
三宿四二〇商店会、せたがや がやがや館
「世田谷パン祭り」会場の周辺は、お洒落なレストランや喫茶店、こだわりの雑貨などの専門店が並ぶ「三宿四二〇商店会」です。このエリアも含めてスタンプラリーが開催され、先着で「限定ピクニックシート」がもらえます。このシートをひいて、公園で休むのもグッドです!
「せたがや がやがや館」ではこの年初めて、地方で愛されているご当地袋パンを販売する「買える!袋パンミュージアム」を開催しました。整列入場したのですが、大人気のため早々に売り切れが出るほど! ご当地袋パンを選定したのは、「マツコの知らない世界」(TBSテレビ)で 「袋パンの世界」に出演された、ひのようこさん。彼女のお薦めは富士製パン(静岡)の「ようかんぱん」で、パンの中に粒あんとバニラクリームが入っていて、その上に羊羹が塗られている和洋合体の菓子パン。なんぽうパン(島根)の「バラパン」と「バラパンコーヒー」もすぐに売り切れました。そして、「東京栄養食糧専門学校」は世田谷パン大学の会場として初利用されました。
「三食パン」は三宿の「3」!
「世田谷パン祭り」では、開催エリアである「三宿」にちなみ「三宿三色パンコンテスト」を行い、毎回注目を集めています。エントリーした三色パンは、体育館や公園のマーケットと、出品者の店舗で期間限定で販売されるのでぜひチェックしましょう! 評価のポイントは、コンセプト(企画)・グッドルッキング(外観)・テイスティング(味)の3つ。審査員による厳正な審査のほか、エントリー商品を校庭に集めて来場者が気に入った三色パンを選ぶ「当日投票」も行われます。
出品された18品の中から、目に止まったパンをピックアップします。前年、コンセプト&グッドルッキング賞を受賞した「coco bagel(ココベーグル)」は、お団子のような形がユニークな「JAPAN3」を製作しました。抹茶・醤油・餅という、日本の三つ味を表現したそうです。熱々のほうじ茶でいただくと、和の味わいが広がります。
「てまりパン」の「富士三色パン」は、富士山の型をイメージしたかわいいパン。カットすると、なんと中からピンクの日の丸が登場! ミルクといちごとバニラの色合いもきれいです。
グランプリを受賞したのは、「Boulangerie Convivialite(ブーランジェリー コンヴィヴィアリテ)」の「3国3匹子猫のカレーパン」。かわいい子猫の中に、タイ・日本・インドのカレーが入っています。
コンセプト・グッドルッキング賞は「café Le Cordon Bleu(カフェ ル・コルドン・ブルー)」の「ヨモギ・アズキ・クロワッサン」 。
テイスト賞は「boulangerie LEBOIS(ブーランジェリールボワ)」の「三色オザモンド」でした。
「プライオリティパス」を利用して、人気マーケットも講座も逃さない!
体育館や公園の「マーケット」は、混雑していてしばらく並ぶことになります。でも、「待っている間に参加したい講座やワークショップが始まっちゃうし、なんとか効率よくすべてを回りたい!」という熱心なパン愛好者は、「プラオリティパス」を入手して待ち時間を短くするのはいかがでしょうか(池尻まちづくりセンター管内在住者は一般開場前に優先入場時間あり)。一つ目は、事前に行われるプレイベント(2日前に開催された「パンと三宿のマリアージュ」)に参加する方法。この催事にパスが付いてきます。二つ目は、当日の早い時間に開催される(指定された)講座やイベントなどに参加する方法。受講後にパスが渡されるので、そのあとマーケットに行けばほとんど並ばずに入場できます。学びたい講座がほか(パス対象外)にもある人は、時間がバッティングしなければいくつでも受講できますから、いろいろ体験している間にマーケットへ行けばOK! 2日間参加すれば体育館と公園の両方のマーケットに、それぞれ「プラオリティパス」を利用して入場することができます。各イベントのスケジュールを事前に公式サイトでチェックして、パスを有効利用すればもれなく満喫できるでしょう。食欲の秋、10月に全国のおいしいパンが東京に集まる楽しいフードイベント。ぜひ訪れてみてください。
スマートポイント
- 列に並ぶ場所では長時間になることもあります。その日の天候に応じた準備をしていきましょう。例えば、晴天の日は帽子や飲み物、雨風が強い日は合羽。寒い日や夕方には、重ね着のできる上着があると安心です。
- 体育館入場時に靴を脱ぐので脱ぎやすくて、歩きやすい靴で行きましょう。パンやグッズを買うと荷物が増えるので手荷物は少なくして、会場で買ったトートバッグなどを利用するのも良いアイデアです。
- 混雑時など休憩スペースがふさがっているときは、世田谷公園や校庭にレジャーシートを広げて休む方法があります。この年はスタンプラリーの景品がピクニックシートだったので、それを利用する手もあり!
ライターのおすすめ
駅から会場へ行く間に「スタンプラリー」参加店で台紙をゲット&スタンプ。会場に着いたら『オフィシャルガイドブック』を購入し、お目当てのパンやイベントの場所と時間をチェック。ガイドブックはパンの資料にも!
原智子
長野県出身、東京都在住。タウン誌副編集長を経てフリーライターに。趣味は旅行(名所旧跡めぐり)・天体観測・カーリングプレー・サッカー観戦。美しい星空も、美味しい食べ物も、人との出会いも、大切な一期一会。
INFORMATION
スポット名 | 世田谷パン祭り2017 |
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住所 | 会場:東京都世田谷区池尻1-5-27(世田谷公園) IID 世田谷ものづくり学校、池尻小学校第2体育館、三宿四二〇商店会加盟店、 せたがや がやがや館 |
ジャンル | イベント |
料金 | 入場無料 |
営業時間 | 日程:2017年10月8日・9日 ※毎年10月に開催予定 |
備考 | アクセス:東急田園都市線「池尻大橋駅」より徒歩約13分、東急田園都市線・東急世田谷線
「三軒茶屋駅」より徒歩約15分 主催・問い合わせ:世田谷パン祭り事務局 HP : http://setagaya-panmatsuri.com/ |